ローマにトッティ、福岡に城後

◇城後のテーマ

 久留米出身のチェッカーズの曲チェッカーズ ジュリアに傷心 歌詞&動画視聴 - 歌ネットのメロディが、今日も、東平尾運動公園・博多の森に鳴り響く。
替え歌ではあるが、試合ごとに、城後が決定的なプレーをするたびに、曲のサビの部分をサポーターがコールする。
 アビスパ福岡のキャプテン・城後のテーマソングは、観戦に訪れた子供もスグに覚える。

福岡ソフトバンクホークスの試合で、ヤフオクドームのピッチャーズマウンドで藤井フミヤが歌うように、博多の森で、この曲をいつか同じ久留米出身の歌手が歌うに違いないと思っている。
実現するのは、城後の引退の日かも知れないけど。

城後が愛される理由は、ハッキリしている。

彼のこころは、いつも地元のサポーターとともにいる。

 毎年、城後のもとにはJ1の強豪クラブからオファーが届く。それは、エース佐藤寿人の広島であったり、国内随一の人気クラブである浦和レッズであったり。
中でも、浦和の監督であるミハイロ・ペドロビッチは、誰よりも城後の能力にご執心である。浦和へ移籍すれば、城後の年棒は何倍にもなり、日本代表への道も近くなる。

 それでも城後は福岡を選び、福岡に残ってきた。



トッティと城後

 イタリアの首都ローマには、72000人以上を収容するスタディオ・オリンピコ・ディ・ローマに本拠を持つ、歴史あるASローマというセリエAのクラブがある。ASローマは1927年に創立された。

 ASローマには「ローマの王様」と呼ばれるトッティがいる。トッティは、20代の前半には既にローマのキャプテンを務め、かっては中田英寿もチームメイトだった。
 バロンドール候補に3度選出され、イタリア代表としてWC優勝を飾り、またセリエA最優秀選手を2度獲得したトッティは、チームでも代表でも得点能力に優れ、ゲームメイカーにもなる。
ローマ生まれでローマ育ちの彼は「イタリアサッカー史上もっとも完璧な10番」と呼ばれている。
 
 福岡(久留米)生まれの城後は、長崎県の強豪チーム、国見高校サッカー部でその身体能力を鍛えられた。1年先輩には中村北斗や平山などがいる。城後の3年の時には選手権でベスト4で止まったが、2回戦ではハットトリックも達成した。
 中学時代は、陸上の選手で、やり投げでジュニアオリンピックにも出場するほどであった。
 アビスパ福岡では攻撃的なMFとして10番を付け、井原監督の命で、今シーズンからチームのキャプテンを任されている。
口数も少なく、もともと恥ずかしがり屋である城後は、先輩の中村北斗等の後押しもあり、立派にチームの顔としてあらゆる場面で前に出る機会が増えた。
井原監督の信頼も厚い。

 ここ数年の苦しいクラブ事情もよく理解し、彼の判断や思考はいつでも「チームの為、スポンサーやサポーターの為」ということを第一義におく。

ローマっ子のこころにトッティがいるように、博多っ子のこころの中に城後がいる。、