松本さん、連携作る

orion10142004-09-11

J2第3節【鳥栖甲府
次節からはいよいよ終盤戦の第4レグが始まる。第3レグ最終戦となったこのゲームの前に、前週の「九州ダービー」を少し振り返ってみよう。

サポーターの熱心な集客動員キャーンペーンを張った9月4日のホームでのゲーム。鳥栖は集中を切らすことなくアビスパ福岡と堂々と戦い抜き、見事なカウンター攻撃と守備陣の頑張りで勝ち点3を奪った。
『まず一番大きな勝因は、やはりサポーターの心の支えだと思います。サポーターと支援してくだれる方々にですね、このチームを救ってもらったという事で監督として非常に感謝しております』(記者会見の松本監督)
チーム存続の危機を迎えているサガン鳥栖が、J1昇格を目指すアビスパ福岡に対しブレーキをかけさせてしまったのだ。これは見事な健闘だと言ってよい。

さて、今日は3,101人の観客数だったが、バックスタンドに座っていても、鳥栖のサポーターの温度が以前よりも上昇していることをしっかりと感じた。
今日は会場入りには時間がなくてJRを使ったが、博多駅からも多くの方が乗車していた。鳥栖、小郡、佐賀など地元の方の温度が更に高まることを願っている。

それにしても今日は鳥栖のゲームだった。前試合のダービーでの守備陣のポジショニング、連携などが生きているのであろう。小倉を中心とした甲府の攻撃に対し集中力を切らさずよく守りきっていた。特に、3人のDF陣はもちろん、左の中村祥朗、右の落合(前・柏)などの踏ん張りと、10本橋は下がり目でよく甲府のチャンスの芽を摘んでいた。この安定した守備陣の頑張りで甲府のシュートを1本だけに抑え込んだのだ。これは特筆すべきことだろう。
連れは、甲府の小倉しか見ていなかったのだが(笑)

攻撃陣は、前後半7本づつ14本のシュートを放ったが、非常に惜しい場面が多かった。勝機はあったし、もう一歩の決定力さえあればと思った。
ゴール付近まではスピードあふれるカウンター攻撃をやっていたが、肝心な場面で持ちすぎの場面が多かった。後半になって甲府が引き分け狙いになり守備的布陣を引いたこともあったが。
今日の0−0の勝ち点1は、上位の甲府相手に対し、内容あるものだったと言えるだろう。

試合終了後、選手とともに松本さんも白のワイシャツ、ネクタイ姿でバックスタンドとゴール裏に挨拶に来ていた。松本さんの丁寧な挨拶姿には、感銘を受けた。
ここへきて、松本さんはいいチームに仕上げてきている。

【その他のゲーム】
ダントツ首位の川崎は今日のゲームに勝てばJ1昇格決定だったが、なんとホームで0−3と大宮に敗れてしまった。大宮、湘南、札幌、福岡が勝ち点3を積み重ねた。2位大宮、3位福岡、4位山形となった。
福岡は、ホベルトが後半開始早々に退場したようだが、帰ってきた電柱・太田のアタマにサイドの山形が合わせてのゴールで逃げ切った。

セレーゾのバクチ当たる

J1、2nd第4節【鹿島ーC大阪
鹿島は、2ndに入っても調子が出ず。ナビスコ準々決勝の敗退を合わせると3連敗。このままだと今年も無冠に終わり、セレーゾの首も危ない状況だった。ガンバとジェフに続けざまにチンチンにされた鹿島は果たして立ち直れるのか。
しかしこのゲーム、点の取り合いで見てる方は面白い試合となった。

鹿島:FW隆行、バロン、MFオガサ、本山、中田浩、フェルナンド、DF内田、金古、大岩、新井場の先発でいつもの4−4−2。
大阪:FW大久保、西沢、MF森島、古橋、浜田、久藤、DF布部、千葉、上村、下村の4−4−2だが、時たま前線は大久保がトップで3トップ気味も。

この日の大久保は好調だった。
ドリブルも裏への抜け出しも鹿島のDF陣を翻弄し、後半10分過ぎまではセレッソの圧勝ペースだった。
鹿島は前半7分の本山の見事なミドルシュートで先行したものの、それ以降はセレッソペース。特に大久保の動きには手を焼いていた。
前半15分大久保、同30分古橋、後半11分大久保とセレッソはいいペースで得点を積み重ねた。

いくらホームでも、連敗中の鹿島には1−3は追いつくことは到底無理と思えた。
ところが後半8分過ぎて、後がないセレーゾが、バクチを打ったのだ。
なんと、前線の2人のFW、バロン、隆行を揃って代え野沢、深井を投入した上に、DF金古を本田に代えて3バックを引いたのだ。3DFに1ボランチ。セレーゾお得意のリスク一杯の鹿島の総攻撃が始まったのだ。

野沢、深井に本山が噛み合いコマネズミ3人組めばセレッソ守備陣にも何回かは穴が開く。しかも3得点を上げたセレッソ、後半は疲れて足が止まっていた。
続けざまに、フェルナンドの左足シュート、そして野沢の強烈なワンタッチボレーシュートセレッソにとうとう追いつき3−3。
後半35分には深井の見事な左足ミドルシュートが決まって4−3と逆転してしまった。

鹿島は、2ndステージを5分の成績となりこの後のゲームにどうにか希望を残し、セレーゾの首も暫くの時間つながった。
さて、これからだけど、J2鳥栖のゲームには間に合うだろうか・・・・