遅すぎた決断

アビスパ福岡の監督が解任された。
どうにも、こうにも、本当に(心からそう思う)遅すぎた決断。
■場当たり人事
アビスパ福岡は、これまで、フロントの人事は、主に地元大手企業の集まりである七社会が決めてきた。

最初の運営母体はコカコーラだったが、そのうち九州電力が(主に)その役を担った。
金は出すから決定権も持つ。
が、役人人事と同様、一定期間が過ぎれば決定権者の出向期間は終わる。
そうやって、現場は目先だけの結果主義に陥り、体制としてどうしようもないほどの脆弱なクラブは、一向にプロのクラブの体をなしてこなかった。
何年経っても、何の反省も積み重ねもなく、有効な手立てを打ち出せてこなかった。

フロントに、サッカーなど見たこともない、会社の経営さえしたこともない人たち。
そんな素人社長は、Jの他のクラブにも多い。だが、しっかりしたクラブには、その下に、権限と責任を合わせ持つ(実力派の)部長クラスがいる。
いずれにしてもアビスパには、そんなド素人の人たちが出向し(出向させられ)、人事権を掌握してきた。


そういう中に、サッカーゴロ(サッカーヤクザ)というべきプロの連中が強化部に入り、アビスパ福岡は、いいようにやられてきた。
アビスパの強化部にうまく入れば、毎晩、中洲で遊べるだけにとどまらない。
いつのまには彼らの車は新車に替わり、立派なマンションに住めた。
そうやって時間だけが流れ。
あげく、30億円以上の金をドブにすてた。
減資という名のもとに市民の血税を無駄にしてきた。

■トップは、現実だけでなく、夢とビジョンを語れ!
だが、しかし。ここ2年。
ようやく、アビスパ福岡七社会から一人立ちしつつある。
長くクラブを見て来た者からすれば、少しは光明が射す思いがしてきた。
しかし、クラブの運営も経営も、チーム方針もその人事も、そのやり方は、一向に以前と変わってないように見える。
筆者の友人には、
「広告代理店と密接に繋がった、購読数の伸びない地元マスコミ・西日本新聞社が、単に七社会にとって代わろうとしているだけじゃないの」という口の悪いのもいる。

それにしても。
会社をやってる人や人事をやっている人なら常識だと思うが。
大きな決断。
その際の、人には辞めさせ方があり、辞めさせるタイミングがある。


S級取り立ての篠田氏に「ハイ、明日から監督」と辞令交付したように。今回も、トップは何のビジョンも方針も打ち出せず、浅野氏へ「残りの期間、後は任せたから」との、その場しのぎの切羽詰まった決断のように思える。

過去にやった過ちは二度と繰り返せないはずなのに。

本日(4日)午後1時6分、永遠の眠りについた松田直樹選手(松本山雅所属)に、心から哀悼の誠を捧げます。