あくまでも”個人的な”映画のはなしでゴメンなさい

学生時代には映画に没頭した時期があり、映画館で朝方まで過ごし頃のある週、数えたら週に22本見たことがあった。
銀座の並木座や池袋の名画座は、支配人がテーマを決めて週末5本立てとかやってて、良く出かけた。
酒の匂い、タバコの煙、そして少し破れて痛んだ座席。場末の映画館は、清潔な快適空間の今と違って、精神を痛めた連中や傷ついた人々の寄り処ではあった。ATGを追いかけ、インド映画に熱中したあの頃にはもう戻れないけど、あの時期は、屈折した精神をモダンJAZZやニューシネマにブツけるしかなかったのかも知れない。
役者志望の友人たちに協力してもらって、短い映画を作ったりもしたが金が続かずそれっきりになった(笑)自分にとっては夢多き時代であったのかも知れない。
「8月の濡れた砂」In the heat of the summar:1971年ダイニチ映配、監督・藤田敏八、撮影・萩原憲治、翌年72年に藤田は、片桐夕子らの出演で「八月はエロスの匂い」を発表。
藤田敏八は1931年ピヨンヤン生まれ、敗戦後家族とともに帰国。
神代辰己らの日活ロマンポルノ路線に多大な影響を与え、日本シナリオ作家協会シナリオ賞、日本映画監督協会新人賞など受賞。80年「ツィゴイネルワイゼン」への出演で俳優として評価され俳優としても活躍。97年他界。
自分の学生時代、全共闘運動から敗北/軟弱転向し映画(映研)に没頭した一時期、その存在は、まばゆいばかりの監督であった。
あの当時「8月の濡れた砂」は衝撃的な作品ではあった。



*今晩は、エラ・フッツジェラルドの(そう、あの巨匠レイ・ブラウンの元妻)アルバム聴きながら休むとしよう・・
そういえば、ルイ・アームストロングとの「エラ&ルイ/ポーギーとベス」(1957年8月録音) 復刻版が6月に発売されるらしい(嬉)