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【政治的側面】
歴史的に数千年も支配され続けてきた国家であり独裁孤立国家である国と、何事かの交渉をするのは、「政治的」には”正面突破”しかないでしょうね。
圧倒的な軍隊で圧力かけて戦争仕掛けるというポーズさえ、できないこの国としては。
当事者である”独裁者から、何がしかの貴重で有効な言説を取る”という行為しか当事者同士の前進の手はない。そういう意味では、良い悪いは別にして小泉氏は歴史に残るトップであるだろう。犬の遠吠えみたいに叫んでいても何らこれまでと変わらず、解決の糸口さえ見出せないのだから。
周りで取り囲みながら政治的圧力をかけていくという「時代」は終ったのかもしれない。相手が物分りの良い国であれば別だけど(笑)小泉氏は自らの在任期間の政治課題として立ち向かうようにもみえる。
【経済的側面】
政治的な手法と違って、現在はこちらの方がより政治的なのかも知れないのだが。
人道的側面と経済的側面は区別しないといけないけど、資金の流れを止めるという法律を作り、資金が流動しなかったら彼の国への打撃は測り知れなく大きい。実は裏から流れる資金は相当にあって、彼の国はこの国からの裏資金なしでは成り立てなくなっている。水道の蛇口を締めてもらっては困るのだから。しかし、水を流そうとしている人々は、かって強制的にこの国へ連れて来られたり、何がしかの理由あってこの国で生業(なりわい)を立てている人々。
歴史は面々と繋がっているのだ。
民間から正当に徴収した税を使ってオモテ資金としては出せないけど、医療・食料などモノであれば政治的道具には使ってもまだ世間的には正解であろう。
石油を持つ中東の国と違って、彼の国は経済的に相当に困窮しているのだから、経済制裁ほど武器になるものはない。今のところ持てる者の立場であるこの国であればなお更。
【富める国はやがては衰弱するが成熟もする】
ポルトガルもスペインも、オランダもイギリスも、かっては世界で最も富める国であった。今は、米国と、不況とはいえこの国も。
この国の経済メカニズムは少し弱まりつつあり、隣国中国にやがてとって変わられる運命にあるが。
国家的財政としては破綻直前にあるこの国の難問を片付けることも官僚と政治委員会の役割なのだが、連中には余りにも無駄が多すぎる。歴史的にもこれが衰弱の道へと走る要因。
無駄を剥ぎ取るためには透明にするしかないが、長期的には官僚には未来はない。しかし官僚に任せるしかないというこの矛盾。
外務官僚は自分らのペースで彼の国と交渉したかったのだが、小泉氏にとってやられた。ここ数年外務官僚の失点は続くが小泉氏との内なるヘゲモニー争いは続く。
あと支配されし人々、植民地化されし人々、彼らを心情的に受け入れ努めて理解することなしには、あるいは何のこだわりもなしに手を取り合えることなしには、成熟も知性も育ちにくいのかも知れない。
【家族的側面】
昨夜は、手を握りながら、子供の寝顔を見ながら休んだのだろう2家族。
子供たちは友だちも捨てて自分の生まれ育った環境も、経験も捨てて家族とともに生きる。小さな胸は不安と驚愕の日々。大丈夫、そばにお母さんがいる。
私は床に就きながら、お母さん、お父さんの想いを思った。
彼の国にも、家族離れ離れに暮らす大勢の人々がいる。北と南とにも。国家と家族はいつでもいつも相反するものだ。家族の愛や母の絶対愛こそがすべてであるなら、2家族の愛はより深く結ばれるだろう。
奥さんは拉致被害者であって、病弱のご主人は罪ある脱走兵。子供さんはどうすればいいの?なんという運命の結びつき。この家族がどこであろうと、一緒に暮らせる権利を与えるべきだとは思う。ここでは国家の利益や面子より家族こそが優先すべきだろう。国家同士のオトシマエなんて、彼ら家族にとっては、大いなる無効である。
米国も一度裁判して帳面消したら、元脱走兵は家族の元へ戻して欲しい。