リーダー論その3「実務派か、カリスマか?」

orion10142004-06-09

私も、何を隠そう以前から、こちらの「登録ユーザー」なんですが(笑)
以前から、川淵氏の口のうまさは定評あることろで、私は、彼は漫談師としても、ちゃんと食っていけると思ってます。
特に、滑らかなおしゃべりじょうずの弁舌(滑舌)と、人のこころを掴む間合いの取り方、それに少しのハッタリが効いていて、サービス精神旺盛でなかなかの人だと思います。それが日本サッカー協会の会長にふさわしいか、は別にして(笑)
こちらは、「FIFA100周年イベントの川淵氏の公演内容の要旨」

『友好的な理由は中津江村だと思い出す。中津江村は日本の伝統的な村落。
市町村合併によって中津江村が来年無くなるので、是非中津江村市にして欲しいと。平松知事に提案した。
日本サッカーの象徴として中津江村の名前を残して欲しい。
でもダメだったらしい。』

はじめに、川淵氏が中津江村の話しを、というネタ探しの才覚は大したもんだと思います。
みんなが笑顔のおばあちゃんやおじいちゃんを思い浮かべるし(笑)しかし、本人が平松さんに頼んだかどうか知らないけど、このネタ間違いですね(笑)
中津江村の名前は残ることになりました。05年3月に日田市への編入とともに、すったもんだのあげく中津江村自体が近隣と合体してという話も消えて”政治的判断”で日田市中津江村となるのです。

『そのイングランド戦なんですが、危うく勝つところでした。<場内爆笑>
試合の評価としては前半30分まで硬かったけれども、それからはリラックスしてよくなってきた。英国在住の方々が日本が勝ったらどうしようと心配するほど良かった。
私もイングランドの協会会長の隣りでみていたんですが、まさか日本に負けたらこの会長はどうなるのかと心配していました。
私も同じような状態でしたからね。デモが来たりしますから。<笑い>
ま、デモがきたってどうってこと無いんですが。』

Jリーグでのリーグ設立時からの成功と、マスコミへの受けの良さで、またこのあたりの強がりと押しの強さで彼は政治力を発揮し、会長までのし上った訳ですが。私の経験から言えば、しかしこういう人程、得てして風見鶏のチキン(笑)
いやいや、もしもの時は、堂々とデモやっちゃうことが一番効果的であると思います。
何故なら、彼のような風見鶏は、マスコミからのパッシングにが一番弱い。
”解任派”や”否定派”の一部の有能な方には、彼のこれまでの功績と、政治力と存在感はまだ使い道があると仰っていらっしゃる方がいますが、今の日本代表サポーターのストレスを作った大きな要因のひとつに彼の傲慢な姿勢と判断力にあるわけですから。いやいや、別に煽るわけでなく(笑)
川淵氏が会長でなかったら、02年のチームをベースにして、どんなにか「代表チーム」がスムースに進化したかを夢想する者としては、と思ってしまう訳です。
色々あっても、何派であっても「代表チーム」は尊重し、選手への愛を込めて応援しなくちゃいけない、とは思っていますが。
以下、インド戦を明日に控えて。

『けれども、安心させて欲しい。そういう試合を見せて欲しい。
オマーン戦、シンガポール戦は悪かったけれども、そのおかげで選手に一体感が出てきた。何とかしなきゃいけないと。苦戦が良い薬になっている。そういう意味では日本チームは順調かなと思っています。

会場から「ジーコはどうなんだ」と野次。
ジーコの話はここではちょっと、一時間くらいかかる。<場内大爆笑>』

さすがに、ここでは外気に敏感な川渕氏ならでは(笑)
監督選びについては、委員会の答申を一旦は取り下げて、自分でジーコへの道を切り開いた責任は自覚しているはず。
代表にもしものことがあればその腹を括っているとは思いますが、「安心させて」は本音であったとしても、できればこういう場面では自分のことよりもう少し選手への愛を語って欲しいとは思います。
・・
彼のようなリーダーは、戦乱・動乱・勃興期の世には相当な力を発揮すると思いますが、02年WCを経て自社ビル持つまでに膨らんだ資産とともに今の協会を取り巻く現状は、多大な資金も影響力も有する大きな母体。
”絵描き”の通りに、後は進むだけ。
広告代理店を手玉にとり、スポンサーに媚びへつらい、TV局や大手マスコミを、半ば恫喝しながら栄華の時を謳歌する川淵氏。
今後、彼のようなカリスマ型はむしろ不要な障害物となることの方が大きいでしょう。
できうれば名誉会長なり相談役に早めに退いてもらって、川淵氏の余り息のかからない40代の若手に、思い切ってバトンタッチすべきと思いますが、人材が豊富でない現状であれば、私は、実務型の深遠思慕の方を、会長のイスに座って欲しいと思う次第です。
Jには、鈴木とかいう社会性を有した実務派のキレ味鋭いかたもいらっしゃいますが(笑)参考までに。

もちろん、川淵氏は自分の後継者選びのその前に、ひとつだけ「やること」がありますが(笑)
人生の選択肢の中では、「退くこと」こそが、一番困難で、大きな”勇気”が必要なのです。

これからのリーダーとは、まずは謙虚でなければならない。
その次に、本人に苦言垂れる片腕か、自由にものいう雰囲気がなければならない。
また大事なのは、部下が差し出した将来を見据えた企画や提案にはじっくり耳を傾ける器がないといけない。
最後に大切なのは(現場=選手への)愛にあふれてなければならない、とひと言添えておきましょう。