何故、前半、動脈硬化に陥ったのか?

アテネ五輪男子サッカーは曲者、巧者揃いの南米パラグアイ代表に3−4で敗北しました。イタリア戦を後に控えての初戦の敗戦は、グループリーグ突破を非常に困難にする敗戦となりました。
さて、小野という極めて優れた素材を得たにも関わらず、何故、前半にチームは動脈硬化に陥ったのでしょうか?
女子代表の、大動脈にしっかりと血液が流れるような健全(健康)なサッカーを見た後だっただけに。極めて残念なことです。
運が悪いことに、早くも本番で山本さんの大きな「特徴」が発露してしまったので、この点を少し考えてみたいと思います。

1.代表監督の仕事は、選手たちに「自分たちのサッカー」を指導、指揮すべきであるが、山本さんは今回も実験を
やってしまった。
2年間の経験を「階段を一歩づつ登って頂点を目指す」という視点でなく、結局は新たな階段探しをやってしまった。

2.この代表は、予選中のキャプテンはほぼ鈴木啓太だった。その啓太をハズしたのなら名実とも小野に任せるべき
でないか。小野はWC2大会連続出場、オランダリーグでの活躍、UEFAカップの経験、ましてや若くしてレッズ
の主将でもあった。那須が駄目ということでなく、これは大局的な視点と優先順位の問題。

3.パラグアイの選手はこけなかったが日本の選手たちは何度も滑っていたのは何故か?
事前にギリシアを前もって経験し、芝の具合を確かめていたのではないか。
もしかしたら、山本さんはピッチの状態に神経質になり過ぎたのではないか。

4.このチームの課題は、前でボールがおさまらないこと。
つまり欠落したままの中盤での落ち着きとその展開に対し、小野をあてはめることで解決しようとしていたのではな
いか。
”ジグソーパズルか、山本サッカーは?”とは、ずっと気になっていたことなのであるが。
    
以下、8月5日付けのガゼッタさんのコラム「蹴聞ガゼッタ」より 『そんなに時間があるわけでも無いのに、小野の能力が高いからとあちこちいじり倒すのは愚策以外の何物 でもありません。 今やるべき事は、柱をしっかりと固定してベストメンバーでのサッカーの完成度を高める事です。 まあ、ぶっちゃけそれはジーコ方式なのですがね(笑)しかしなんでこう日本には中庸ってものが無いんだ ろか』
『小野だけじゃなくて中田や中村もそうなんですが、トップ下にスペースが無いのが当たり前の現代サッカー では、彼らのようなスピードとフィジカルとテクニックが両立していない選手がトップ下をやる場合、よっぽ ど戦術を緻密に構築しないとほとんどうまく行かないです。しかも、今の五輪チームに最も欠けているのが中 盤での落ち着きと展開なわけで、小野を松井や大久保の代わりにトップ下に置くよりも、阿部の代わりにボラ ンチに置いた方が効果は何倍も高いはずです。』
5.試合巧者パラグアイの術中にハマったこと。 パラグアイはDFラインを下げさせ、ボランチとの間にできた空間を突きまくり、そして活用した。 代表のゲームでも03キリンカップでパラグアイ代表とは対戦しているハズだが。 今回、3トップ気味にきたハードなパラグアイに対してはゲーム開始早々わかった時点で的確な指示をすべきで あった。 6.どういう組み合わせが、自分たちのサッカーができるか、それを熟成してこなかったこと。 少なくとも前線は平山、田中コンビが予選を通しても時間的に長いハズ。高松・大久保コンビはそれほどやって きてない。 また、小野の瞬間素早いパスに反応でき対応できるのは技術のしっかりした森崎や駒野だと思うが。 それに小野からの裏への鋭いスルーパスに反応するには、大久保、田中の2シャドーが良いと思われること。 そういった小野の特長を生かす布陣にスタートからできなかったこと。

まだまだあるけど、今日はこれくらいにします。
まずは、次のユーロNO.1タリア戦までに、山本さんが落ち着くように。
この試合のカメラワーク(BSの映像)非常に稚拙でしたね。まるでどっかの民放の、みたい。
・・・
最後に、あまりダークな字句ばかりもどうかと思うので(笑)いいところを

1.3得点したのは良かった。特に2PKをゲットした高松はやはり好調・快調であった。
この試合、高松に隆行を見たのは私だけではないだろう(笑)どうか?と思う審判だったが高松には味方してた。

2.大久保も大きな舞台で、流れの中で初得点したのは良かった。

3.小野がどういう動きをしどういうパスを出すのか、チームのメンバーにようやくわかってもらえて良かった。

4.森崎はうまいし鋭いのはわかっていたが、大舞台でも通用するのがわかって良かった。よくやってた。
できれば技術の高い森崎には”小野とのコンビ”プレーを熟成させて欲しい。

5.闘莉王の、つかのまの上がりっ放しDFWを見れたのが良かった。(家族も観戦してたヨ)

6.早稲田の徳永のドリブル突破やサイドからの攻撃は良かった。彼は早くJリーグ入りすべき。

7.平山、大久保の、先輩後輩仲良しコンビが見れて良かった。最後の平山のヘディングは惜しかったけど。

8.小野と松井の球出し処2箇所で後半はボールが回るようになって良かった。相手の攻め疲れもあったけど。

実は、次のイタリア戦、結構、楽しみにしています。
シドニー五輪代表からハズされた時に、なんせ、ひとり号泣したという、小野助監督がいるんですもの。
いや、試合後にね。小野は、小野の部屋(ソガと同室)に那須を呼んだと思うんですよ。
小野ってそういうヤツなんですよ。
闘莉王も「自分も一緒に、いいスか?」とか汗拭きながら言ったりして。モニワはもうイビキで寝てますが。。。
・・・・・しばらくして那須は笑顔で小野の部屋出て行ったと思うんです。
その後山本さんの部屋ノックして「今日は・・どうも・・」って。「何、言ってるんだ。ナスッ!また次、お前出ろよ」って山本さん、赤い目しながらフォローしたと思うんですよ。「いいから、今日は、もうシャワー浴びて早く休め」って。
こういう点では、いいコーチなんですけどね、山本さん。
・・・。
私は、次のイタリア戦、結構、楽しみにしています。
さあ、気分変えて、彼らに、また魂送らなくちゃ。