無残な喪失感

【日本代表VSドイツ代表】
06WC開催国、ドイツ代表のアジアツアー。
今回は、日本・韓国(19日)・タイ(21日)などを回るらしいが、16日の日本代表戦(横浜国際)は仕事の合間にTVで見た。
■とても、FIFA16位と17位のゲームじゃなかった。
最新のFIFAランキング順位だとドイツが16位で、日本が17位(ユーロ優勝のギリシアも17位!)である。
嘘だろう!
客観的に見て両者の力関係は”15ランク”位は差があるハズだが、一体、何の根拠でFIFAは順位を決めたのかと不思議に思う。その通りなら順位に相応しい魅力的なゲームを見せて欲しいものだ。私には、0−3の得点差以上に力の差を感じたゲームであった。

ドイツが順位が低いのはユーロでフェラー監督時代に惨敗したことが順位に影響しているのだろう。
ちなみにユーロ04でのドイツ代表は、グループリーグ2分1敗で敗退。新興国ラトビア相手に1点も挙げられなかったし、グループリーグ戦の1敗は、主力に休養を与えたチェコ代表相手であり、ユーロ後にはフェラー解任となった。

■真のドイツサッカーではなかった。
日本代表とは初対戦となるドイツ代表は、14日に成田に到着したばかりで、おそらく長距離移動による時差ボケ状態や新たに試す選手の起用などもあり、新監督の下、チームを本番に向けて作ってる途中、それも当然ながら仕上げ前で、真のドイツサッカーは余り見れなかった。
それでも、スペースあればどこからでも突いてくるし、チャンスとあらばキチンと決める場面などは、流石にWCで決勝戦を戦うだけの強豪国であった。
■変わらないことが、このチームの特徴
このゲームの代表に、良い所探しを無理してやったとしても、ふたつしか思い浮かばない。
シンガ戦(一次予選最終戦)と違ってオガサが、攻撃の基点になろうといくつかチャンスらしいものは作っていたこと。その他には決まらなかったけど、アツの強烈なドロップFKが見られたこと。

それにしても、この代表チームは、この年の最後に、このチームを象徴するような評価に値しないゲームをやってしまった。
コンパクトを放棄した戦術、宮本不在はベタ下がりのDF、仕事ができない前線、何をとっても、どんなに甘く見ても、WC本番でグループリーグを突破するイメージは全く湧かなかった。
このまま、4.5枠のゆるゆるのアジア予選は突破したとしても、アテネ本番の山本五輪のように、完全敗北するだろう。
山本さんはただのテスト好きな指揮官で本番ではタテポンサッカーしかできなかったが。今の代表チームは、ピッチに選手を放置するだけだ。それも選手の能力でもってアジアでは通用するだろうが。

今のような選手任せの「場当たり的瞬間判断戦術」では、強豪国には全く通じない。
ようは、WC予選に「勝ちゃあ、いい」(川淵氏)のだから。
■捨て去ったチームマネージメント。
ゲームに立ち向かうモチベーションにバラつきがあり、初めて戦うドイツ代表を迎えたというのに、メンタル度は最低であった。Jリーグで立派な仕事をしている大黒や村井など、こういうゲームだからこその、若手を試そうともせず、代表の稚拙なチームマネージメントは、クラブチームはおろか、とても参考にも手本にもならず、むしろ中学部活以下でしかない。
■前線の選手には、強豪国に通じる技術がない。
 大久保のミスで失点したシーン。ボールを持った大久保が誰のサポートもなくズルズルと下がり挙句の果てはボールを失って失点したシーンこそがこのチームの象徴であろう。
また、他のFWもだが、強豪国相手にトラップが全然決まらないFWは、今後強豪国相手には使えないとしかいえない。前線で仕事が全くできていないから、後ろへ下がって守備するしかない。守備もできなければベンチに下がったほうが良いとさえ思った。
■角沢ウザイ
うるさいのは最初から覚悟していたけど、彼が無知でヘタなのが今回よーくわかった。彼には“間”というものが身についておらず、おまけに叫ぶのがスポーツ中継だと錯覚している。プロレスだって彼の実況なら見たくない。以前にTV朝日には投書したが、他にアナいないならサッカー番組は是非とも降りて欲しい。
日本側は、メインスタンドからカメラを回し、ドイツでは、バックスタンドからカメラを回したのだろう。ベンチ前に、ドイツ(ユーロ中継)向けの看板?がやたらあって、ピッチとベンチに壁のようなものを作っていた。
■得点差以上の喪失感

ヨーロッパの強豪国であり、歴史あるサッカー先進国のひとつであり、わが国もお手本にしたドイツ国の、
しかも次回開催国であるドイツ代表との戦いを見て、感じたものは、無残な喪失感でしかなかった。