歴史的なゲーム

スタンフォード・ブリッジバルサを迎えたチェルシー
前試合は、2−1でバルサがリードしているが、チェルシーもアウェーでの1点が効いている。
チェルシーは、おそらくバルサにボールを持たせ、スキを見てのカウンター狙いだろう。
”BLUES”チェルシーが、バルサの3トップのスピードと技術を抑えきれるかにかかっている。
チェルシーウインガーアリエン・ロッベンと、ディディエ・ドログバが欠場。バルサは、センターバックラファエル・マルケスを欠く。
いずれにしても、今季のCLの行く末を占う意味で、決勝戦と表現して良い程の大一番だ。
世界中が注目するゲームの、笛を吹くのはピエルルイジ・コリーナさん。

[前半]
8分:今日のピッチは、ぬかんでいるようには見えないが、肝心なところで滑りやすい。早速、バルサのMFシャビが、中盤で足を取られ大きなピンチを迎える。チェルシーは、シュートしたグジョンセンまでに、ボールを奪ってからの3人が全く手数をかけず、たった5タッチで得点してしまった。一連の動きは、カウンターの鑑のようなプレーだった。
17分:バルサの守備は動揺してるのか、チェルシーにとってはザルに見えるだろう。カウンター狙いのチェルシーに、簡単に崩され、ランバートに追加点を奪われる。
18分:2−0と、ゲームを優位にしたチェルシーは、たった1分後にダフのゴールで追加点を奪い3−0。これで、ゲームの主導権はチェルシーに。

それにしても、流石にベンチのモウリーニョは冷静。

29分:ボールポゼッションはバルサにあるのだが、バルサには暗雲漂う。3−0は、いかにも重い。
しかし、優位にしたチャルシーの流れが落ち着いたところでバルサがPKを得る。蹴るのは勿論、ロナウジーニョ
この場面は、ペナルティエリア内でのハンドのシーンであるが、主審コリーナさんの位置取りが良かった。

どこやらの国の審判との技術の差は、この位置取りにあると私は思っている。それと、協会であっても、審判の判定をくつがえすことはできない。協会の当然するべき「擁護」のニュースを見たが、WCにも選ればれS審判でもある岡田氏は、コリーナさんを見習うべきだろう。彼、岡田氏については色々と書きたいことがあるので、機会があれば別の日に。

堂々と笛を吹く主審。ゲームに「精神的安定」をもたらすその存在。大一番であっても退場も混乱もきたさない。どんな試合であっても、ゲームを作るのも、壊すのも、審判にあるのだ。

38分:ロナウジーニョの技術は、魔術的といってもよい。彼のトリックは、ゲームを見る世界中の誰も予想しなかったシュートシーンを作った。無論、相手チームのDF陣でさえ。
ゴール前で、チャルシーDF陣に取り囲まれた彼は、軸足を微動だにさせず右足先を瞬時に前に出し、ボールをネットに突き刺してしまった。GKも黙って後を追うしかない。これで3−2。
たった38分で、5点も入るゲーム。
これで流れが変わるのか。

今日のゲームは、チャルシーのMFジョー・コールが効いている。ピッチ上では、彼の精神性の高さを感じる。
彼は、前半終了間際にも、ポストにブツける非常に惜しいシュートシーンがあった。
さて、前半は、3−2で終了。ロッカーへ歩くロナウジーニョに、ユニをねだるパウロ・フェレイラ。相手チームの選手にとっても、彼はアイドルなのだ。
[後半]
後半も、バルサはポゼッションで上回る。あくまでも自分たちのサッカーをしようというライカールト

バルサは、動きに軽快さが見られないDFファン・ブロンクホルストを、後半開始からシウヴィーニョに交代させる。
左サイドに入ったシウヴィーニョで、チャルシーのカウンター攻撃が影をひそめる。
この試合に先発していた(前半は今ひとつだった)イニエスタのシュートがポストに阻まれたり。CKからのプジョールのヘディングシュートが、GKチェフのナイスセーブなどで、得点に至らず。

後半31分、チャルシーがベスト8へ進出するには、セットプレーしかないな、と思い始めた途端の時間に、CKを得る。DFテリーが見事に決めて4−2とリードしてしまった。
スタンフォード・ブリッジは、沸きに湧く。残りの時間は、15分足らず。

こうなればモウリーニョのもの。

グジョンセン、ダフに代えて、MFティアゴ、DFフートをピッチへ入れる。勿論、フートは時間稼ぎとマキシ・ロペス対策か。
モウリーニョは、5バックでこのゲームを締めくくった。
両チームとも全力を出し尽くし、トータルスコアは5−4でチャルシーの勝利。


ゲーム終了のホイッスルが鳴ると同時に、ピッチになだれこむモウリーニョ
まるで優勝したかのようなチャルシーの選手たち。歓喜の一瞬がチェルシーの選手たちとスタジアムを包み込む。
シーソーゲームで、非常に面白いゲームでしたが、プレミア首位とリーガ首位の戦いは、歴史に残るゲームといっても良いだろう。

モウリーニョは、アウェー(カンプノウ)での戦いぶりと変えて、このゲームは、ショートカウンターがツボにはまったゲームだった。
私は、黒豹か、まるで虎のような、動物的な動きを見せるFWエトーに、仕事をさせなかったチェルシーのディフェンス陣を称えたいと思う。

この試合の戦いぶりで、
チェルシーは初めての優勝、またイングランド勢としては6年ぶりの優勝に、大きく近づいた
といってよいだろう。
プレミアでもチェルシーは独走。
果たして、モウリーニョは、このまま連覇してしまうのだろうか。

さて、なんとか情報(ネット、TVニュース)を絶って、今晩は、ミランVSマンU戦(20時〜、ch183)。また、リヨンVSブレーメン戦(22時〜、ch308)の再放送を見ることにしよう。
明朝は、ユベントスVSレアル戦(4時半〜、ch184)。モナコのゲームも、ライブで見てみたいが。