65分以降のアンバランス

■「結」不在のゲーム
この2試合は、結果より内容だろう。
東欧遠征のラトビア戦は、(守備陣の主力は大分で)メンバー的に「起承転結」の「結」の選手不在で、途中、何人交代しても「起」や「転」の選手ばかり。
案の定、後半フィジカル的に戦ったラトビア代表に同点にされてしまった。
ジーコも、大久保や松井、そして1ボランチの稲本、左SBの中田浩を試したかったのだろうが、「90分間でのゲーム」を作ることはできなかった。
周りが疲弊した中での途中出場の大久保のカラ回りが何よりの象徴。
■松井は使える

メンバー選考的には、このゲームを運命的に先発した松井はギリギリジーコの序列入りか。安定感と実績のあるオガサとは比較にはならないが。
フランスへ行き玉離れが格段に良くなった松井は、駒野とともにジーコの序列[Cグループ]入りと思えた。
同じくフランスリーグの浩二。
終盤の浩二のミスは動かない回りにも責任があると思うが、次戦、できればボランチよりも左SBでもう一度見たい。

■後半65分でゲームセット
さて、ヤナギがピッチ内にいた時間と、ベンチに退いた時間の、代表チームのピッチ上の攻守のバランスの”落差”は、個々の選手たちの疲労や相手チームの慣ればかりではない。
ヤナギが前線で動き回ることが、どれだけチームとしてのバランスを作り、緊張と拮抗のチームバランスを保っているか。
おそらく、選手目線のジーコは気づいていると思うが。このゲームでそれが顕著に表現された。
前線に串刺しの串が抜けるから、どんなにヒデが指示し周りを走らせてもバランスの悪さは解消しない。
さて、このゲームに小野が出ていれば、と思えるシーンは何度もあった。
ウクライナとのゲームでは、少しの時間でいいから小野とヤナギが同時出場して欲しいものだ。