t今季最高のゲーム

■吹っ切れた選手たち
松田さんがこの試合の先発陣を大きく変えたのが功を奏した。
アビスパは、DFが平島、長野、千代反田、アレックス、ボランチが北斗と松下。両サイドが古賀と山形兄、前線FWに岡山と田中の布陣。

最近、出場機会のなかった松下や古賀誠史の張り切りようは凄まじく、久しぶりに見る松下の強烈ミドルはプレミア選手並みといって良かった。雁ノ巣でもあれほどのゴールは決められまい。この日は2得点もした。
全体にこの日のアビスパの選手たちのモチベーションは異常と思えるほどに高かった。
驚いたことにホベルトグラウシオが不在でもこのような素晴らしいゲームができたのだ。
それと、前節のJ1復帰決定試合が余程カタいものであったことをこの試合は証明した。(代わりに、この日カタくなっていたのは甲府の方か)
足元でもらおうとする甲府に比べて、アビスパは最後まで走りながらボールを動かし続けた。
そして、アビスパの速い寄せと素早いプレスは終始中盤を制した。藤田も長谷川も、そして期待されたバレーも何ひとつできなかった。
北斗、松下のセカンドボール奪取、さらに右の山形兄と左の古賀の切り替えの早さも良かったし、前線から岡山、田中の守備貢献と、特に田中祐昌の疲れを見せぬ運動量は今季最高であった。
ホームでしかも一番大事なゲームで、このような素晴らしいパフォーマンスを見せないのはなんとも皮肉ではあるが、甲府にとっては負けられない大一番、今年一番のアビスパの完勝ゲームだった。

得点は、9分松下、23分山形、27分松下、72分古賀、89分アレックス。

Q:4試合連続無失点、守備力はJ1に行っても通用すると思うか?
「戦術的なベースは通用すると思う。ただ、いくら組織があっても局面は個人の力が要求される。J1のレベルはもっと上。そこはもっと高めないといけない。毎試合無失点が続けられるとは思わないが、守備の組織の理解は進んだと思う」(試合後の松田監督談)

(この項つづく)