「今季を振り返る」その3.

マンUのていたらく
サッカーにおいてクラブチームをサポートし、長く見ている人々、つまり「マイチーム」を持っている人なら理解できると思うが。

例えば。
マンUの昨今の体たらくを見て、もう勝てないからとか、CLの決勝Tに進出できないからといって、いとも簡単に個人的に応援を辞めてしまうのは、*1勝手にすればいいし別に構わないことではあるのだが。
しかし、今まで「マイチームの如く、話し、あるいは書いて(説いて)いた」ことは果たして何だったのかと思える輩もいる。
ミーハーな婦女子は別にしても、つまずいても転んでも、どんなに悲惨な状態になっても、全ての良いも悪いも受け止め末永く見続ける覚悟を持てない人が「マイチーム」のごとくクラブチームについて”語る”のはどうかと思う。
自らのアイデンティティは一体全体どこに?
勿論、サッカーには、マイチームを見つめるという対峙の仕方と、良いサッカーが見たいという対峙の仕方とある。これらはいつでも矛盾との格闘。しかしそれも歓び、それも楽しみ。
そして、サッカー見るにはライトもヘビーもないし例え一時的に嫌いになっても(マイチームであるなら)見守る度量(愛)は欲しいと思う。

友達であれば、良いも悪いも認めてこその親友であろうし、異性であれば、良いも悪いも認めてこその結婚相手であろう。
■契約延長
ということで、アビスパは松田監督の契約を延長した。
色々と諸説があるのは十分に理解できるが、クラブ幹部はJ1昇格の評価というよりも、”リスクを最小限に止める”やり方を選んだまでのことだろう。

クラブ幹部には良い監督を探す眼力はあるだろうが、今回は諸々の事情で新たな人と縁作りするタイミングでなかったことと、今更「この時点でリスク抱えて新しい冒険はできない」というのが正直なところと思う。

松田さんが3年間で作ったベース(土台)を基本にして、来季新たな上のステージでどれだけやれるか見てみたい気持ちも確かにある。そういう意味では自分は無難な選択をしたと思う。

J1で勝つには、選手個々のレベルアップはもちろんであるが、チームとしての戦力アップのため幾人かの強力で新たな人材が必要なのは当然としても、選手と同じで、松田さんも是非とも進化して欲しいものだ。
松田さんはピッチでの規律を求めるタイプであるが、来季はできれば雁ノ巣でどなり声を上げる鬼コーチが欲しい。なるべくなら若い選手たちをフィジカル的に追い込める人。
■松田アビスパの3年間

         順位 勝点  勝利 引分  敗戦 得点 失点 得失差
03年  4   71     21     8    15    67   62    +5 
04年  3     76     23     7    14     56    41    +15
05年   2     78     21    15     8     72    43    +29  

アビスパは今季の目標を「優勝してJ1昇格」とした。
しかし終わってみれば残念ながら優勝は逃すことになった。
アビスパが、何故、優勝できなかったのかはクラブも松田さんも総括・反省すべきことと思うし来季の為にもそうしなければいけないことだろう。
しかし、最低限の目標であるJ1昇格は果たした。
成績は決して喝采すべきことではないが、J1復帰が最大目標であったサポーターから見れば、満足はできなくても今季が納得できる結果で終わったとはいえるだろう。

今季、優勝できなかったは、戦力やチーム力が京都よりも劣っていたからでない。全ては引き分けの多さ故にである。
今季は15試合を勝ちきれずに引き分けた。ここまで引き分け試合が多いのは、松田さんの硬直した試合の進め方にもその一因がある。この辺りは後にでも考えてみたいところだ。

*1:狙い通りに攻め込んだヌノゴメスを中心としたスピード感溢れるベンフィカへのリスペクトを忘れてはならないと思う。