[J28節、福岡ー磐田]:博多の森競技場
■高まる集中力
ホーム2連勝中のアビスパは、川口、田中誠、福西らの現・前・元の日本代表ら怱々たる選手たちが揃うジュビロ相手に、良い内容のゲームをした。
そういえばこの日の試合前に後ろを振り返ったら社長の横にオフトさんがいた。
アビスパはこの試合も狭いエリアに3本のラインを揃え、敢えてジュビロにボールを持たせ中盤を厚くしカウンター攻撃の戦術をとった。それがハマった。
福西をトップ下に置いた前がかりのジュビロの守備陣が軟弱さを見せたこともあったが、特筆すべきはスタジアムと一体となった選手たちの集中力。中でも布部、久藤のチーム統率は見事であった。

『みんな同じことを考え、同じ絵を描いてる。悪いことがあってもみんなが指摘し、修正できている。』(攻守に奮闘した右SH久藤・談)

それと目だったのはDFふたりとFW布部。
特に26節以降、怪我の千代反田、金古不在のDFラインを統率するセンターバク宮本亨と、若き柳楽の身体を張った奮闘は素晴らしく、前田、カレンに仕事をさせなかった。
このゲームは、体調万全には見えなかったが左の匠・古賀誠史の2得点に絡んだ左足からの一級品のクロスと、FW布部をはじめ前線からのチェイシングは十分に中盤をコンパクトにした。
■4人の成長
また鹿島戦と同様に、チームの将来を背負って立つと見られる4人が後半に揃った。
いずれも北京五輪に選ばれても十分な能力を持った選手たちで、このところの彼らは間違いなくスキルアップしている。
北斗のJ1初ゴールに続き、結果を出したのは佑昌のクロスを技ありの左足インサイドで決めた城後であった。

MF中村北斗:1985. 7.10生、21歳、167cm/69kg
DF柳楽智和:1985.10.17生、21歳、178cm/76kg
FW田中佑昌:1986. 2. 3生、20歳、175cm/70kg
MF城後 寿:1986. 4.16生、20歳、183cm/77kg

苦しい戦いの中での彼らの成長がチーム力を向上させているし、活きのいい選手たちの活躍はスタジアムに希望を与えるものであった。