「こころの中のふるさと」

熊本県の天草に荒木忠夫さんという方がいる。
ボクは、今、53歳であるが、7、8歳上とお見受けする荒木さんは60歳手前くらいであろうか。
現在は、高校の臨時教員をしながら寺子屋を営んでおられる。奥さんは染色家として活躍されている。

その方が20年程前にNHKの「明るい農村」という番組に投書をされた。
番組が今も続いてるのかどうかは知らないが、当時は庶民の人気番組であったらしい。
荒木さんは地元の高校卒業後、京都の東証一部上場会社に入社し、部長代理までされた方で
その当時に投書が行われた。
昔の貧しい天草の漁村での自分の生い立ち、中学3年の頃のエピソードを語った内容で、
強烈な反抗期の時期の息子(本人)と母親の物語である。

その投書を聞かれた方が、深く感動し、ご本人とNHKの了解を取り小さな冊子にされた。
いわゆる自主出版である。今で言うところのインディーズ版。

おそらく幾万とある自主出版の冊子の中で、発行部数では日本記録を歩き続けて、今もその冊子は
手から手へ、口からクチへと、広がり続けている。
たった6ページの本である。

10年以上前に、発行出版された方が製作者となって、「映画化」された。
当時、私も縁あって撮影現場にも出かけたことがあるが、今は亡き室田日出男さんが父親役で出演され
しみじみとした短編映画となった。

いずれ、冊子の内容とその後の荒木さんのことを、ご紹介をしたい、と思っています。