ネットワークの時代

orion10142004-04-26

『クリーニグの話し』・・
私の広島の知人は、クリーニングは、ある程度ためて三重県クリーニング屋さんを利用し、宅急便を活用している。
仕事が丁寧でボタンや少しの綻びなども見てくれるから、助かると言っていた。挨拶状付きでキレイに畳まれた出来上がりのものが送ってくるそうだ。
挨拶も、自筆で季節の花便りとか家の子供のこととか書いてくるらしい。
別に親戚でもないのに、親戚付き合いしているような錯覚になると言う。
・・
『お豆腐の話し』・・
もう一人の福岡の友人は、お豆腐を食べるのにいつも大阪の堺の、お豆腐屋さんを利用している。クール宅急便を使えば大阪からならスグに着く。美味しくて身体にいいから、らしい。
余程のお豆腐好きでもあるが、時々お裾分けしてもらうが、これがまたホントに美味しい。その人は、お醤油は愛知県から送ってもらっていると聞く。
・・
『お米の話し』・・
私の熊本の友人は、富山からお米を送ってもらっている。
新米ができたら、脱穀前のが大袋で送ってくるし、普段もそちらのお米を食べていると聞く。
富山の農家の方は、ネットや電話を通して友人の顔や声を知っている。
子供連れて田植えが終わったら、旅行気分にお土産もって、はるばる田んぼを見に行くらしい。
知ってる人のためには、美味しく丁寧に作ろうとする。友人一家も、それを美味しく食べる。
・・
『オーガニックレストラン』その1
友人がお店を開くのに少し手伝ったのだが、最初は売り上げが上がらずに本当に苦労していた。資金が続かず苦しんでいたのだが、彼は、今では「月間食堂」に執筆するほどになった。
店舗内の床下に、2トンの備長炭を埋め込んだり、壁や天井の材料に古材などを利用したり空気を呼吸する材料を使ったりして店を作った。使う水も完璧に変えた。
食べに来る人は、そんなことは知る由もないのだが。
グランドピアノも最初は、宝の持ち腐れだったが今では地域の人たちの発表会の場にもなっている。
昼食時は、相当に待たないと入れない。
彼は、すべて”顔の見える人”から仕入れている。畑や田んぼや酒蔵に出かけ、話しをし、意気投合して仕入れする。もちろん高く仕入れする。
高く仕入れないと農業をやっている人は続けれないし、米国型の効率的農業や合理的経営農業から一番遠くにある「志」高く農業をやっている人から仕入れをするには安く叩いていたら関係も続かないという。
とまとやきゅうりが本当においしい。
・・
『波長の合った繋がり』
日本の国土は跡取りも後を継がず農家が廃業し、そのこともあって国土が荒廃しているところが多くなった。
すべて経済性や合理性を求めたせいともいいきれないがそれが大きな理由だろう。
「日本を良くしよう」とか「環境を守ろう」とか「美しい自然を守ろう」とか政治家だけに限らず、右も左も、みんなが高く叫んでいる。
それはほとんど間違ってないし、正しいことなのだが、それらは自分の手の届かないところで表現しているに過ぎないし、叫んでいるに違いない。
「作る人の顔が見えない食材を、大半の人が食べようとしている。」とオーガニックレストランの友人は言う。
少しでもいいから、農家の人や生産する人とネットワークで繋がっていくといいよな、といつも思っている。
生産者と消費者だけの関係でなく、「良い人」と「良い人」が繋がっていくこと。
物理的な距離に束縛されない「波長の合う人」同士が繋がっていく時代は、もうすでに始まっているのだ、が。
サッカーというスポーツを通して、掲示板やblogを通して、私たちは、多くのステキな人たちと無意識のうちに”ネットワーク”しようとしている。
そこには、今日にも、組織化とか妙な繋がりとかでなく自由な広がりのあるネットワークがあるのだ。
・・
しかし、大きな組織や大手や大企業にはこんなことは思いもしない。例えば。
『オーガニックレストラン』その2
うちのそばの野間大池公園には、年末に「木の花ガルデン」というオーガニックレストランが開店した。
こちらも、お昼は待ち時間をしばらく覚悟しないといけない程お客が多い。
私も、家内とぶらっとたまに行く店だ。
こちらは、大分県大山町の農家の人たちが自分たちで作ったおいしい食材を食べてもらおうと、福岡市に作った”町営レストラン”なのだが。もちろんバックには大山町農協がいるのだが、これが見事に新鮮で美味しい。
大山町は、「一村一品運動」で有名な町でもあるが、採れたての農作物は、毎日、町のトラックで早朝に届く。誰も介在しないで。
ここでは、フレンチでもなく、イタリアンでもない、中華でもない全く普通の素朴な手料理を何十種類も作って出している。
レストランの隣には、大きな八百屋さんもありそこで採れたての農産物を販売している。
「美味しいものを食べて欲しい」という純粋な農家の人々の「志」は、多くの人に受け止められ、彼らは、いつでも活き活きとして元気だ。
ここは、実は以前は、ロ○ヤルホストの象徴店舗だった。
そこの会社に友人がいるので言いにくいが(笑)何故、資金なり人材が豊富で仕入れルートもふんだんにある彼らに、このような繁盛店ができないのか、とここでは書くつもりはないが(笑)利益優先で、「志」を失うと、そのうちに企業はどんどん厳しさの川を泳ぐようになるのだろうか。