悩める君へ

こちらのblogを通して知り合った大学院生K君とのやり取りをここに紹介します。

>何とか内定をいただいて、A新聞かN新聞かで揺れているところです。おかげで若干五月病気味です(笑)
> 福岡大好き人間として、福岡で福岡のために働くか、大きいところで全国(チャンスがあれば海外)を舞台に勝負するか悩んでいます。
> 中央>地方という考え方は好きではなくて、地方独自の文化、視点、価値観があって、それを伝える、掘り起こすことに故郷を愛する人間として携わって行きたいという思いがあります。地方の時代には地方のジャーナリズムがしっかりしていなければならない、それに携わりたいという思いがあります。
> でもせっかくチャンスを掴んだのだから、Aというでかいところで、いろんな人間がいるところで勝負してみたいとも思います。昔から特派員にあこがれていて、これはAじゃないと出来ないことだしと、悩んでしまいます。

> よろしければ社会人の先輩としてアドバイスいただけないでしょうか。長々と、しかも図々しくてすみません。

なかなか贅沢なお悩みで(笑)
アドバイスにはならないけども。少しだけ(笑)
あ、でも軽く読み流して下さいね。

1.「どちらの社風が自分に合うか、あるいは馴染めるか。」
意外や、「社風」は、”長く”仕事する上では「どんな仕事をするか」よりも大切なような気もします。

家でいえば、家風、学校でいえば校風。かって会社の先輩方が作ってきた「職場の習慣や雰囲気」のことでしょうか(笑)サラリーマンのストレスの要因は実はこれによるものが大きいのですが、コレ実はほとんどの方が気づかないことなんですけどね。

2.この機会にこれまで「どんな先輩方を輩出していったか」を知ることも大事ですね。これは社員としての誇りに繋がります。
福岡に縁深い方の名前をあげると、Aでは、緒方竹虎でしょうか。この人の書をある料亭で見て驚愕した!ことがあります。大変な人物だったんだろうなと思えるような「書」でしたが。緒方は、軍医であった祖父が緒方洪庵に姓を頂いたそうですが、私は偉大な保守政治家とみています。全共闘ゲバ棒にヘルメット被っていた私がいうのもおかしいですが(軟弱にもスグに転向・笑)

中野正剛も緒方の友人ですが、A出身の故郷が誇るべき立派な人物だったと思います。東条内閣打倒の急先鋒であった中野は、東条に追い詰められて何の言い訳も繰言もいわず黙って自ら腹を切って割腹死した”ラスト”サムライでもあります。私は、中野は、福岡の武士(サムライ)であり福岡の誇りだと思っています。

もちろんN新聞社も立派な人物を数多く輩出しています。特に地方や郷土を愛し、そのために命を張って頑張った人々は数多くおられます。
私は身の回りのできごとや身近なできごとを拾い集めて地域の人の豊かな暮らしのために働くことはとても崇高な仕事のように思います。どんな大きなことも小さなことの積み重ねである訳ですから。
私の身近にもいましたが、大尊敬する亡くなったオジは清廉潔白を地でいく立派な人物であり保守政治家でしたが、生前は、これまでの保守系福岡市長たちや国会議員たちを陰で支えてきました。彼は誇りを持ったNの出身です。青年政治家の頃の山崎拓氏もオジに教えを請いにきていました。若い頃、厳しく拓氏が叱責されていたのを目にした事があります。近くに叱責する人がいなくなると人間駄目ですけどね(笑)

決めるのはKさん自身だと思いますが、
将来どういう人物になりたいか、という絵があるなら、自己研鑽のために”それに沿って”判断。
まだ自分をそこまで思い描けてなく仕事面だけ考えているなら、それはそれで仕事を通して自分を”広げ、深める”職場をおすすめします。

マスコミ志望のK君の未来に、幸多かれと祈る
ちなみに、私は長年のAの購読者です(笑)



*写真は、雨上がりの、皐月の風吹く野間大池公園