”最後は人間力”

アテネへ〜山本監督と若きイレブン〜メダルへの挑戦】
NHKで21時から放送された内容は、美しいタイトルとはニュアンスが少し違ってて、五輪代表に選出する過程と選出に伴う山本さんの考えついてのものであった。

山本さんの選手への人間洞察のテーマは「人間力」だろうか。人間としての底力、ギリギリの状態で自分の力を出し切る強さや逞しさについて語っていた。
石垣島での灼熱合宿やその後の選手選別試合のことなどが詳しく語られていたが、「競争があるから伸びていく。最後の力の1%を出し切る気持ちが大事」などを語っていた。
おそらくそれらは山本さんがトルシエから学んだことなのだろう。

谷間の世代と言われた彼らをそうやって追い込むという手法は、それはそれでいいことだと思うが。
国を代表する代表チームとして考えると、山本さんがどういうサッカーをしたいのかというのが最後の最後まで欠けている。また残念ながら山本さんは、終始選手選別にばかりに目をやりその事にエネルギーを注いでしまい、2年間最終予選まで積み上げてきたものを一旦ゼロにしてしまったことだろう。
アテネでも小野次第という雰囲気になっているようだが、大丈夫だろうか山本さん。
私は、山本さんこそ選手にばかりギリギリの状態を求めて、最後まで自分自身を追い込むことはなかったのだろうと思った。彼は最後までコーチだったのだ。
アテネ本番のギリギリの状態でその瞬間の判断を見誤らないように願うのみである。
小野の肩にのしかかるものの大きさを改めて感じた番組だった。
グループリーグ戦まであと、4日だ。
・・・
それにしても平山相太、お母さんに持ってけと言われたのかも知れないが、似合わないからヨコピンのネクタイピンはやめろ(笑)



【追記】
下にセルジさんからコメント頂きましたので、少しだけ。
鈴木啓太についてはセルジさんに同意します。ホントはこの件についてはたくさん書き込みたいところですが(笑)
どうやら山本さんは、選手選考に当たってその大半を選手同士を1対1で比較対照選別していたようです。
つまり自分で進むべきサッカーがあり、それにふさわしい選手を選別し、役割ごとに選んだわけではなくて(スターター、スーパーサブ、ベンチ控えでの鼓舞役割など)、どうやら選手同士をただ単に競わせただけのようですね。
唯一、啓太の比較対照の選手が運悪く小野だったようです。残念ながら。
このチームでのこれまでの成り立ちや”役割”という視点で見るなら啓太の存在と役割はとてつもなく大きいと私も思います。
番組の最後の方で、アテネ代表選手発表後に、レッズの闘莉王が啓太のユニを着て仲間のことを気遣っていたシーンには胸打たれた次第です。