動脈に血液流れる

後半31分、ようやく登場。
シチリアダービーは、39年振り。大勢の観客で試合開始前から発炎筒が何10本も焚かれ異様な雰囲気。(*神尾さんのBLOGに迫力の写真あり)

前半試合開始から互いのせめぎあいが続くも、パレルモの守備は本当に堅い。失点9は、セリエAでもベスト5だ。
メッシーナがボールを持ってる時間が多いが、パレルモボランチの前で悉く跳ね返される。
シチリアダービーで沸き立つピッチは互いに必死の守り合いで得点機を作り出せない。
ムッティ監督も見守るだけの、中々動きづらいせめぎあいが続く。

そして、試合開始から76分、(日本時間12日午前6時前)ようやくヤナギが登場。
俄然活気付くスタンド。

ピッチの上も流れが急に変わる。長い時間のこう着状態に変化が訪れる。
つまっていた血管に、血液が勢いよく流れ始める。
メッシーナの前線にボールが回り始める。
あれ程無かったのに、前線にスペースが、ヤナギの動き出しでできてくる。
慎重なムッティ(監督)も、これでヤナギを早い時間から使うようになるだろうし、先発ももうスグだ。後は結果だけ。
そうこうしているうちに、サイドでなく(リーグ戦では初めて)FWに入ったヤナギにボールが回る。ヤナギ、フリーな左へ、大きくボールを展開する。このメンバーでは一番に流石に視野が広い。
鋭いクロスがゴール前へ。自分で作ったチャンスにヤナギがヘディングシュート。惜しくも、クロスバーだが。パレルモDFのプレッシャーの中を高い打点でシュート。
期待感が益々膨らむ。メッシーナサポの興奮は最高潮に達する。

チャンスはすべてヤナギが作り出す。

次は、ゴールラインぎりぎりにボールを素早く追い、右からの見事なクロスを入れる。うまい!
しかし、ファーに選手がいない。惜しい。パレルモDFに跳ね返される。
その次はゴール前、右でDF二人を置き去りにするフェイント。ここで慌てたパレルモDFは、ファールで止めるしかない。いいポイントでFKを得る。残念ながら得点には至らず。

ヤナギは、身体が大きくなっている。
ヤナギは、強靭さを増している。 
ヤナギのフェイントは、あんなに、うまかったのか。 
ヤナギのジャンプは、鹿島時代より15cmは高くなっている。


ゲームはドローに終わったが、わずかな出場時間で、ゴール前の決定機を3度作る。
レッジーナ戦、パレルモ戦と続くヤナギの前線での好調さに、今後、慎重なムッティの決断は変化するだろう。

その意気と向上心は、当時とは比較するまでもないが、98年の頃のプレースタイルに戻っているのだろうか。

【第11節シシリアダービー/パレルモ戦】
「柳沢主演ショー」(日刊)
「柳沢惜しい!ヘッド」スポニチ/神尾さん?)
「柳沢“歴史的ゴール”逃した」(報知)
「柳沢FWで“魅惑の14分間”、バー直撃ヘッドも」(サンスポ)
ヤナギ公式HPのリポート

ガゼッタ・デッロ・スポルト
柳沢(6・5点) より大きな尊重に値することを示すための15分だった。ヘディングでバーをとらえた。パレルモのDFを震えさせた。
ムッティ監督(6・0点) 柳沢をもっと早い段階で入れなかったことで小さなエラーだった。
コリエレ・デッロ・スポルト
 柳沢(得点無し) 日本人は武勲をかすめた。
ガゼッタ・デル・スッド】
 柳沢(6・5点) ピッチに立った時間は本当に一握りだったが、ゴールをかすり、そしてパレルモDFを困惑に陥れた。なぜもっと早く入れなかったのか。

「セリエA情報サイト」は、このゲームのヤナギのド・アップ写真
「柳沢が力強く変わった」(川勝さん)

前の相手DFと競り合ってジャンプしたら、普通はバーの上に行ってしまう。それを体で押さえながらバーに当たったのだから、背筋や首の力が強くなった証拠で、「変わったな」という印象がある。
水分を含んだピッチで滑る選手が多かったが、柳沢のボールコントロールはしっかりしていた。ボールがないところでも動き出しの速さは相変わらず。切れがあり、FWとしてレベルが高い。(スカパーで解説していた川勝さん)

ガゼッタさん

それだけに、バーに当たったヘディングシュートが入っていれば、メッシーナのパスサッカーは柳沢にとって合っているだけに先発の目も出てきたのだがとも思う。(ガゼッタさん)

「ようやくファンが期待した柳沢に本人が追いつきつつある。」(チョコレート犬さん)
伊・神尾さんのBLOGもそろそろ・・
【第9節海峡ダービー/レッジーナ戦】
「早くヤナギを出してくれ!」(KABUさんの現地観戦記)

それにしても、ヤナギのポジション・・・・。大変だ。左サイドに張っているが相手ボールになると、ほぼDFラインまで下がってくる。すごい運動量である。しかも、メッシーナのボールになって上がろうとすると、ヤナギをマークしている選手がシャツをひっぱっているのである。まだ、ボールがヤナギのところに来てもいないのに。しかも、ヤナギ、振り回されている(^^; 負けるな、日本の男の子!(KABUさん)

4分もロスタイムがあって試合終了。帰る道すがらも「ヤンギサワ、ベーネ!」などと褒めまくられて私はご機嫌であった。(KABUさん)

このゲームのヤナギのド・アップや俊輔のフォトアルバム他にもイケ面なイタリアンも(笑)



さて、早朝のTV観戦は堪える年齢になった自分ではあるが(笑)それもヤマギの為なら仕方ない。2試合を見てのマトメをしておこう。

これまで、チームプレー最優先だったヤナギ。

99年以降の鹿島時代や、日本代表での前線でのゲームメイクの役割から解き放たれ、
ようやく本領発揮の時期になってきた。

ヤナギもようやくセリエA仕様の肉体になってきた。逞しく、以前より大きく力強く見えるのはそのせいだろう。

また、長い時間ヤナギを使わない慎重なムッティのお陰で、ヤナギが段々と、彼が彼の肉体の中に隠されていた
「野生味」を取り戻しているのだろう。

そういう意味では、彼を長い時間見たいと思っているのは正直な気持ちであったにしても、
”策士”ムッティには、感謝すべきかも知れない。

「日本代表」には金輪際呼ばれなくてもいいので、このままサッカー人生の己の成長のために頑張って欲しい。