ムッティの召使い

セリエA第12節、好調ウディネーデ戦は、ライブでは放送されず、一日遅れの録画放送で見た。
あくまでも慎重なムッティ監督は、現在の柳沢敦を”切り札”と、考えているフシがある。しっかりした「結果」を出さないと切り札に埋もれてしまう可能性もある。僅かな時間でもアピールするしかない。

それにしても、ウディネーゼはいいチームだった。流石に、これまで強豪を打ち破っての3位だけのことはある。
よくまとまったチームで、アウェーで、このチームから得点するのは容易ではない。
しかし、メッシーナの中盤の選手たちの運動量は多い。ウディネーゼの3倍は走っていた。だが、先に疲れたのはウディネーゼだった。

後半29分、ブーイング浴びせられながらヤナギが登場。アウェーで上位との戦いに、メッシーナが早い時間で先制したせいもあるが、ムッティは、守りに人数を置き、守備的であった。11節のシチリアダービーとはチームの流れが違っていた。

そんな中、2トップとして出場したヤナギは、スペースを自ら作り出す動きや、味方ボールになると前線に全速力で抜け出そうとしていた。
もうひとりのFWアモルーゾがドリブリしながら中盤からゴール前へ詰めた時に、ヤナギ、ゴール前右で、ど・フリーとなった。
日本代表や鹿島のゲームでは、あのようなヤナギの表情はしない。なんと、ヤナギは両手を目いっぱいに広げ、大声上げて目を剥いてアモルーゾにアピールしていた。
大声はスタジアム中響いていたぜ。
もちろん、視野の狭いアモルーゾは自分で行って自滅していたが、ヤナギにボールが渡れば初ゴール!の瞬間になるはずだった。

今日のヤナギは、”ムテッィの召使い”だったのか、よく守備をやっていた。
短い出場時間で、なんと3度も、インターセプトした。「ヤナギ、なかなかやるじゃん」とは思ったが、「そんなことせずに、前線で張っておけ」とTV画面にツブやいたのは言うまでもない。
守備もうまくなってるヤナギ。しかし、守備は程ほどでいいから、前線で仕事して欲しいと思った。
私は、このゲームで感心したことが、ひとつだけある。

それは、守備的に戦う、ドローでOK!のゲームで、ヤナギが登場したことだ。これまで、ムッティは、あと一点欲しい場面で”しか”ヤナギを使ってないのに、だ。
ヤナギの出場時間は極めて短い。しかもいずれも大事な場面だ。彼が集中して、ゲーム中に大声上げるほどモチベーション高い状態が続くならば、やがてサポが大騒ぎするくらいの結果は出すだろう。

ムッティから見ても、どうやらヤナギは階段を一段づつ登っているらしい。

ゲームは、ムッティの狙い通りに、1−1のドローだった。メッシーナ、依然として4位。