破竹の七連勝
■J2第43節【アビスパ福岡VSサガン鳥栖(九州ダービー)】:博多の森
博多の森は、アビスパサポで、普段の3倍近くの入場者があった。 天気もよく絶好の観戦日和。 前半も、後半も、45分がこんなにも早く過ぎ去るとは 思わなかった。 試合は、終始、サポの熱い声援が選手たちを後押しした。 博多の森の青空に、広く、強くコダマするサポのリズム。 こうなったのは、何年ぶりだろう。 チームもサポも一体となっていた。 もちろん、鳥栖サポもよくまとまり、選手たちや育夫さんに力強く声援送ってた。
アビスパの先発メンバーは非常に若い。平均年齢は23.18歳。MF山形が前節の怪我の為欠場、代わりに松下。
GK:1水谷雄一(24)、
DF:3アレックス(21)、5千代反田充 (24)、18増川隆洋 (25)、23宮本亨 (21)
MF:7宮崎光平 (23)、8ホベルト (25)、15米田兼一郎 (22)、22松下裕樹 (22)
FW:13エジウソン (25)、26有光亮太 (23)
<博多の森・観衆15444人>=レッズ戦より遥かに観客多い「九州ダービー」 シュート CK FK アビスパ福岡 10 5 26 サガン鳥栖 5 5 19 <得点経過> アシスト ゴール 前半15分【鳥栖】 佐藤大 本橋 (右足) 3号 前半27分【福岡】 有光 (左足) 4号 後半23分【福岡】 増川 アレックス (ヘッド) 3号
CKからのこぼれ玉を鳥栖に先制されたのはご愛嬌だったが、アビスパの選手たちの動きを見てて、今日は負ける気がしなかった。選手たちも非常に緊張感のある締まったゲームをやってのけた。
■三賞授与
さて、今季、ホーム最終戦なので三賞を授与したい。
今日のヒーロー[殊勲賞]はFW有光だろう。もちろん、逆転ゴールのアレックスも良かったが、やはり有光の成長を心から喜びたい。
前線でボールキープし、自ら突破しチャンスメイク、有光は常によく動いていた。エジウソンのフォローがあることも大きいが、有光なしには10月からの6連勝もなかったと思う。
[敢闘賞]は、ボランチのホベルト。彼は十分にチームに溶け込み、しかも彼の働きは並大抵ではない。攻撃面では、つなぎの役割だけでなく、鋭いパスも出せる。繋ぎと展開の役割を彼が果たそうとしている。守備においても見事なパスカットを何本も決めていた。
ボールキープでき、フィードできるボランチがもう一人いれば、攻撃に厚みが出る。そうなればアビスパのサッカーはJ1でも十分に戦えると思う。(ボランチといえば関東のどこかのチームで余っていたが)
[努力賞]は、千代反田にあげよう。彼は相手FWとの競り合いに常に競り勝ち、サガン鳥栖のカウンターに対して、ヘディングにおいて終始負けなかった。技能賞も、キャプテンである彼に上げたい。
■育夫さんの戦術
今日のゲームを好ゲームにしたのは鳥栖の松本監督だと、私は思う。 アビスパ福岡の得意のサイド攻撃は完璧に封じられていた。もちろん、山形が怪我でいないのは大きいが。 宮崎も、松下もよく動いてはいたが、大事な場面で仕事をさせてもらえなかった。 松本さんは、鳥栖の左サイドの中村祥郎(前・鹿島)はじめ、多くの人数を割いてカバーし合いサイドに蓋をしまって いたのだ。しかし最後は個の能力の違い。 スペースを作り、そして探しながら前線にボールを運んでいたのは、その中心は、エジウソンだった。
『ちょうど今週土曜日でシーズンの全てが終わる。いろいろな雑音が入った中で、選手が良く戦ったと思います。J2のレベルということを考えても、今日のゲームは、来てくれたお客様に対して、飽きることのない、内容のあるゲームを選手たちがやってくれました。選手たちに感謝したいと思います。残念ながら、高さで・・・。いつもやられていることなのですが、これは仕方がない。ピンポイントで合わされたら空中戦は勝てません。それで取られた1点なので、仕方がないということだと思います。』(松本監督)
『今日は、中盤からきちっと付いてパスを出させないようにしろと、そこでボールを取りに行けといことを指示しましたので、相当厳しい守備というものが出来たと思います。』(松本監督)
『反面、こういう舞台が揃って緊張感が出てくるというのもありますけれど、こういう状況の中で試合をしたいと思ってやってきたわけですから、選手たちは、大勢のお客さんが入ってくれて、ファンの後押しがあって試合が出来るということを、すごく幸せに感じたと思います。その結果、最終的に逆転できたということにつながったと思います。』(松田監督)
■J2最終戦は、11月27日(土)
これでアビスパは、4位山形に勝ち点差2をつけて山形県営へ臨む。
注目の大一番は、11月27日、14時より山形県営で。
前節、甲府戦での終了ホイッスル直前のホベルトの執念のゴールは、福岡の背中を押す”何か”を感じさせるものだったが、果たして、山形は守りきれるだろうか。