好調持続

パルマ戦、前半2分いきなり反転シュートは、惜しくも相手DFにあたりコースが変わってGKが止めた。その後も、いい位置でのヘディングシュート。ドリブリ突破からの切り返し2度、2人のDFを置き去りにして左からの素早いシュート。前半は、味方も左FWのヤナギへとボールを集め、彼がチャンスを作る仕事をしていた。得点こそ入らなかったがヤナギとディ・ナポリのコンビ、イリエフ、スッロなどの展開など、十分にメッシーナペースだった。
ヤナギもファウルをもらったり、左サイドに張ったり、前線でスペース作ったり運動量はチームでも際立っていた。監督の指示もあるのだろう、チームプレーを十分に果たしていた。
また、ある場面では、らしくない強引さを見せ、昨季とは一枚も二枚も逞しくなっている。ヤナギも昨季と違い迷いもなく、チームに溶け込み、おそらく言葉の壁もなくなっているのだろう。のびのびとゲームを楽しんでいるように見えた。65分過ぎの交代の時の表情も、充実感が漂っている風に見えた。
何度も何度も書くが、あとは、本当に結果だけ。
マニアにとっては、待つのは慣れているが(笑)どうにも長い孵化(ふか)の時期。果たして、見事な美しい蝶に、いつ孵(かえ)るのだろうか。
ムッティも、チームの攻撃のカタチが見えるヤナギを、常に前線に組み込むべきとは思うが、どんなにいい動きをしても、この国で「結果」を出せていないことに変わりはない。
ヤナギがどんなにいい”動き出し”をしても、このチームはドリブル好き、持ちすぎの選手が多いので、そんな彼らが怪我気味のうちに、ディ・ナポリやスッロなどとのコンビネーションを、今後も生かして欲しいものだ。
メッシーナは、ホームで3連勝。一時の、DF陣の不安定さもなくなり、ゲームが落着いてきた。降格圏から少し遠ざかりつつある。
■ムティ監督の試合後の談話:

「(柳沢の起用について)コンディションがよく、活発であり、アモル−ゾはトップのコンディションではないという事。それから第二に戦術上での選択でもあった。パルマのDFはフィジカルが強い事、中央のマークについていた(パルマ側の)2人の選手に、(柳沢が動き回る事によって)出来るだけ基準点を与えない事、柳沢がサイドに移動して、スッロが中に入ってくるといった形で、読みにくい戦術にする事。パルマブレシアーノがワントップ(ジラルディーノ)の下に入る形をとったり、時にはスリートップぎみになったりして我々を困難に陥れていた。そこで、スッロがより中央に入ってプレーすることで、相手のセンプリチョ・グレッラといった選手への対応を、MFもしくはハーフの2選手、ドナーティ・スッロといった選手ですることが出来た。こういったことも柳沢起用の意図でもあった」

【公式HPヤナギインタビュー】

□昨シーズンと比較して
『数字を見れば明らかなのですが、出場時間が増えたのが一番変わった部分ですね。それによって充実感もありますし、やらなければいけない部分も見えてきています。そういう意味ではまだシーズン半分ですが、前と比べるといい精神状態でやれていると思います。』(ヤナギ)

□サイドで使われることについて
『「またか」と思う気持ちがやはりあります。監督にも合宿の時から「FWでやるために来た」と言ってありましたしそれは理解してもらっていると思っていたのですが、開幕直後に左サイドに使われることが多く、「去年を繰り返すだけ」という気持ちもありました。しかし後で監督から、僕はFWとして考えてはいるがチーム事情で使わなければいけないこともある、という話をしてくれました。そういう意味では去年とは全然違うというのは事実ですね。左サイドで使われていても、全然違う気持ちでやれています。』(ヤナギ)

□後輩であり可愛がっていたオガサの海外移籍話について
『移籍というのは“タイミング”なので、タイミングが合わないと行けるチャンスがあっても逃してしまうことがあります。彼が行きたいと思った時にうまくタイミングが合えば、あまり周りのことは考えず進むべきだと思います。』(ヤナギ)

また、残りの後半戦、ヤナギとしては自分のチームに専念し(代表のことはもういいから)予選は後釜の、大黒(G大阪)に任せよう。