中田浩、マルセイユへ

(下の「■契約せず」以前までは、鹿島側の発表前に書き込んだものです)
中田浩二の胸の内を思うと、条件あれこれはともかく、先方も待ち望んでいることだし、個人的には本音の部分で「行かせてやりたい」とも思います。
もちろん、鹿島サポの総意が、浩二を(いつかは)海外移籍させてやりたいと思っているはずです。
しかし、個人的感情や選手への「感傷」は抜きにして書くと、「今回は行くべきでなく」「次の機会を待つべき」だと私は思っています。
ここで数日前(19日付け)に「浩二は出さない」というタイトルで書いたのですが。

1.鹿島の「チーム事情」と、
2.今回の話が、「時間的に、いかにも性急」

であるからです。

牛島氏も、今回は完全移籍とかの難題を吹っかけていますが、順序を間違わないで、クラブに相談しクラブをうまく利用しながら取り組めば、レンタルだって認めるはずです。気がかりなのはあの代理人位でしょうか。

とも、書きましたが。
クラブは「金輪際出さない」とは言っていない訳で、鹿島は、チームに功績のある選手の海外移籍には、これまでも、むしろ”後押ししてあげる”部分が強いクラブだと思っています。
順序立てして、根回しを十分にやり、チームリーダーとしてクラブの行く末も幹部とともに一緒に考える位の精神的余裕を持ちながら取り組めば、浩二の”夢”は必ず実現する問題だと私は思います。
■夢の実現
夢を実現するための「手段」や「プロセス」は、数多くはあるとは思いますが。スポ新の情報だけの判断だと、結果として今回の浩二側のやり方は、代理人のサポート(知恵)もあるとは思いますが、周り(関係者)を納得させる手法とは到底思えないのです。
今、あの代理人が窓口としてやっていることの功罪の罪は、己の仕事にただ忠実というだけではなく、そういう総体的・関連的な問題や課題が発生することを、(いくら選手の代理人といえ)サッカー関係者として全く無視していることにある訳です。
契約条項がどうのこうのとかの次元ではなく(もちろん、それも重要ですが)、契約条項の一文のようには合理的に割り切れない、モノを移動させるのとは訳が違う。
また、この件はクラブの今シーズンの浮沈がかかっていると言っても良い。
ま、私がそう言うのは、もともとあの代理人について回るおかしな風聞が許せないこともその考えの一端にある訳ですが。
From Backstandさんの「蹴球間々記」24日付けでも、このこと(中田浩二移籍問題)について、詳しく触れているのでご紹介します。

『それに何か今回の一連の行動(呼ばれてホイホイとすぐテスト受けにフランスくんだりまでいったりとか)全てがマルセイユに足下見られているようなイヤな感じで、私としては「それで良いのか!中田浩二」って感じなのだ。自分がそういう立場だったらどうするのかと言われれば確かに判断に迷うが、例え浪花節的だと言われようがサポーターとしては選手にはクラブへの忠誠を少しでも示して欲しいものなのだ。特にそれがキャプテンと言われる中心選手なら尚更に。』(From Backstandさん)

『こんな事を続けて許していたら脆弱な基盤の上に立つ日本のクラブは間違いなく崩壊する。』(From Backstandさん)

『今の鹿島アントラーズの現状はそれを身を以て体現している。それに気づいているからこそ鹿島はこの移籍に難色を示しているのだと私は思う。』(From Backstandさん)

■「契約せず」
と、いうことで、ここまで書いたところで。「鹿島側より公式発表」(1月26日付け)

中田浩二選手との契約について」
鹿島アントラーズ中田浩二選手に対し、契約を更新し2005年もアントラーズでプレーするよう再三要請をして参りましたが、本人の海外移籍への希望が強く、残念ながら本日、契約更新は不可能という結論に至りました。』

クラブは、浩二の想いの強さを、思いやる「結論」に達しました。代理人は関係なく。
こうなったら、トルシエが早めに退陣、とならないことを祈りたい。