九州ダービー

今季開幕戦となった鳥栖スタジアムは、冷たい風強く、寒気の中のゲームだった。
しかし、「九州ダービー」で沸くスタジアムは、佐賀県の後押しもあったのだろうか、13,039人と、多くの観客が入った。

「挨拶するサガンドリームの井川社長」・・「今日は報道陣も多かった」
(開幕戦なので、あえて写真を多くアップ・笑)
■岡山合格

                      水谷
   川島  千代反田  岡山  アレックス
             ホベルト
        松下
   中村              宮崎
              林
         有光

鳥栖は、いつも通りに3−5−2のハズだったが、実際は、ピッチで見る限り4−3−1−2の布陣を敷いていた。
(どうやら試合後の情報によると、ゲーム前は、選手に対し3−5−2の布陣の対策をしたという松田さんは、明らかに研究(情報)不足であり、育夫さんは、してやったりだろう。)

鳥栖は、FW有光へのボールの出所を抑えることと、DF陣は有光へ厳しいマークをつけていた。特に守備陣には育夫さんの指示が徹底され、落合は危機察知能力の高さを見せていたし、全体が終始一貫下がり目であった。

福岡はこれまでと同様のシステムで、増川の代わりに岡山、米田の代わりに松下。右サイドは、山形の代わりに中村。FWは、エジウソンの代わりに林。
立ち上がりからいつも通りに自分たちのゲームをしようとしていた。

中でもセンターバックの一角の岡山の働きぶりは見事で、心配していた増川の穴は完全に埋まっていたし、千代反田との互いのケアも良くできていた。どちらかと言えば後半は岡山が指揮統率する場面が多く、昨年の増川の役を千代反田がやってる風にも見えた。
FWは、林が良かった。タメも作れていたし、チャンスメイクも彼を基点にする場面が多く、前半は、林の技術が生きていた。
FWは、エジウソンの契約解除で心配していたが、前線は、このまま熟成していけば、有光の相棒は、林で良いと思った。

鳥栖は、全般的に見れば、まだ熟成にはほど遠く、人選途中といった状態であった。しかし、セットプレーで得点した宮原も仕事ができていたし、これから次第に良くなると思う。鳥栖は、少なくとも、昨年以上の成績は残せるのではないかと思う。
ゲームの結果は、1−1のドローであったが、福岡が終始押し気味で、チャンスもシュート数も、倍はあった。ただ、決めるべき時に決めれなかった。特に前半は、完全に福岡ペースで、3点位は取ってもおかしくなかった。
そういう意味では、昨年からの課題は、未だ解決していない。
それと今日は、鳥栖のGKシュナイダーがキレていて、何度も好セーブを見せていた。
■反省点と今後の課題
今日は内容的にも勝てていたゲームだった。アウェーの開幕ゲームというハンデはあったが、前半早いうちに決めておればもう少し楽な展開になったと思う。

FW有光は、厳しいマークにあっていたが、もう少し裏への飛び出しがあっても良かった。また左サイドの宮崎とのポジションチェンジで目先を変える工夫も欲しかった。
ボランチの松下は、前半上がり目で積極的に動いてチャンスに絡んでいたが、後半はボールウォッチャーとなることが多く、消えていた。
右サイドの中村北斗は、初戦・開幕ゲームの緊張があったのかも知れないが、自分の持ち味を出せてなかった。もう少し強引さがあっても良かったが、鳥栖のマークにあって彼らしい仕事はできていなかった。反対サイドとのポジションチェンジもできなかった。
彼は、早目にチャンスに絡まないとベンチに下がる可能性が出てくる。次戦、ホームでの水戸戦に期待したい。
両サイドと、FW林と有光の連携はこれからだろう。両FWのふたりの関係がスムースになれば、可能性は十分にある。


■昨年の倍の観客
昨年も鳥栖の開幕戦(対福岡)には観戦したが、今日は佐賀県の動員が効いたのか、お年寄りや子供たちが非常に多かった。
もう少し穏やかな天気であれば良かったが、鳥栖側から見れば、開幕戦に相応しい引き締まったゲームが見れて良かったのではないかと思う。
サポーターの応援は、その数も、組織力も、やはり福岡に軍配が上がる。セレモニーでの「翼を下さい」独唱への”アンコール”(エール)、またサガンドリーム井川社長の挨拶へのエール、いずれもアビスパサポが会場を盛り上げていた。
いずれにしても、今日のようにサポやファンが多く集まり、スタンドからの後押しでチームは強くなるものだ。できればもう少し、中高生が多くなると良いと思うが、”新生”サガン鳥栖にとっては幸先の良いスタートになったと思う。
駐車場もほぼ満車で、博多駅からも多くのサポが乗り込んでいたので、アビスパサポが3割位はいたかも知れないが。