バーレーン戦が決戦

最終予選の組み合わせが決まった頃にこちらにも書いたが、WC出場の可否は、やはりバーレーン戦がターニングポイントとなった。
■攻め(責め)好き
25日のテヘランで開催されたイラン戦で、日本代表は1−2で敗れ勝ち点を積み上げることができなかった。

リスク背負って攻めに行くより、できれば、ヤナギからの福西の得点でもってドローにした時点で、そのような戦術を取るべきだと思う。
小学生でも計算できることを敢えて書いてしまうが。
こちらは、既に手にした3の上に勝ち点1を積み上げることができるが、相手(イラン)は、まだ数値的には1しか所有してないのだ。戦前からグループ首位と見られるイランに対し、この試合ドローでも、2戦目でなんと「4−2」とリードできるのだ。ドローなら2位以内はほぼ確定する。それでも大群衆のアウェーの場で、リスク背負って6−1としたかったらしい。
このようなことは、まるで(生まれてから死ぬ迄ハイテンション状態の)トサカを天に向けた闘鶏のように、目の前の相手に勝つことしか思い浮かばない(中長期的な発想ができない)指揮官の下では、期待できない相談だろう。
私は、だから、そんなジーコが個人としては好きなのだが。

今回は、久しぶりに召集されたヤナギ視点でしかゲームを見てないので、全体のことはコメントできません。
■彼、ヤナギの登場で、血管に血液流れる

−得点の場面は。

「競り合ってという感じ。自分でシュートにいけると思ったけど、知らないところから福西がやってきて…」
(柳沢敦公式HPより)

イタリアへ行き中々思うような結果は出てはいないけど、彼の肉体や身体能力は、確実に進化してきている。屈強なセリエAのDFの間で揉まれているからなのだろう。
あのような(長身のイランDF陣との)競り合いの場面では、ヤナギは体を寄せるだけが以前のヤナギだったはずだ。イラン戦の彼は、揉み合いながらもゴール方向に行くようにボールを頭に当てた。
それと、あのような競り合いの中の高いジャンプを見て、持病の腰痛がかなり回復していると私は見た。
ジーコは、呼んだ以上はヤナギをベンチに座らせたままにはしないだろうとは思っていたが。先発したFWふたりの噛み合いぶりや、中盤との連動性の無さ、またスペースを作る動きが皆目できなかったのを見て、ヤナギはたぶん後半開始から行くのだろうと思ったのだが。
この日のゲームの、攻撃の組み立てはヒデではなく小野がやっていたので、なお更「早く、ヤナギを出さんかい!」と、ひとりよがりに思っていた(笑)
■小野へのエール
ここで、少しだけ小野にエールを送ろう。

それにしても自分にとっての昨夜の見所は、「日本代表に小野あり!」を改めて確信できたことだった。ゲームは敗れたものの、ゲーム前半の小野の牛若丸ぶりを見て、自分は「小野の時代がやって来た」の思いを強くした。
小野は、DFが3枚であろうが4だろうが、己がボランチであろうがトップ下であろうが、サイドであっても、チーム内では有機的に働き、彼の展開力とそのアイデアで、チームを輝かすことのできる唯一の存在だ。
もちろん、ヒデも素晴らしい。彼の実績、経験、存在、いずれも歴代NO.1であることは疑う余地はない。
しかしそうであっても、小野の存在はヒデとは違う異質の次元のものである。

06年のWC出場が果たせた時、サッカー人生のピークを迎えるだろうナイジェリアユース世代。
彼らは、チームとして世界大会で日本代表チームを史上最高位の実績に導いた。

その中軸を担った稲本が早くに復活を果たし、小野とともに中盤の主導権を持つことを私は願いたい。

残念ながら小野は、カード好きな主審によってイエローを一枚貰ってしまい、大切な次戦の出場が叶わぬこととなった。

さて、そろそろ打ち明けるが。
最近、自分は加地(FC東京)のことを好きになりつつある。
もちろん、ヤナヲタを名乗りながら(笑)