イクヲさん思わず水を飲む

【J2第11節、鳥栖ー湘南】
出足は、非常に引き締まったいいゲームとなった。
湘南は、中盤の激しい寄せから、加藤、柿本の突破力。鳥栖は、好調FW新居のスピードを活かした氏原のポストプレー。いずれのチームも緊張感漂う切れ味を見せていた。
/

しかし、前半23分、中央から抜け出す新居の突破を、湘南のキャプテンDF白井が思わず後ろから倒しレッドカードで退場となり状況は一変した。
アウェーの湘南は無理せず、前線に柿本をひとり置き、カウンター狙に切り替えた。その後は、鳥栖が主導権を持ち数多くのチャンスを作り出した。
中でも氏原のポストを生かした攻め上がりや、売り出し中の新鋭・長谷川や高橋の両サイドからの崩しを数多く見せた。
しかし、湘南のGK小林が良く守ったこともあるが、16本のシュート(湘南はわずか2本)を打ちながらゴールを割ることはできなかった。

鳥栖に足りなかったものは何か。
攻めの気持ちは十分だった。多少若いミスもあったが連携も良かった。
2列目からの攻撃か、それともミドルシュートだろうか。あと数センチの決定力だろうか。
鳥栖にはチャンスが余りにも多かった。ホームで一度も勝っていないという攻め急ぎは確かにあった。
ゲーム終盤、ロスタイム。イクヲさんは、思わず力の入った背中をのけぞりながら、水を飲み干した。再三再四のドローを覚悟したのだろうか。
/
*試合後、両雄、握手し互いを称え合う。イクヲさん一歩も動かず。敬意を持って歩み寄ったのは上田さんの方だ。そして、イクヲさんは選手たちと共にバクスタまで挨拶に来た。
ゲーム開始1時間前まではそれほど多くなかった観客も次第に多くなり、いつの間にかバクスタの大概の席は埋まって行った。中でも今日はゴル裏がいつも以上に多かった。観衆7,659人。井川さんの努力は結びつつある。

「これだけ多くの方が応援に来てもらって戦いましたが残念ながら勝ち星を得ることができませんでした。
要因は「若さ」と思います。つまり、相手が少ない人数のときの経験がなかったです。外側をフリーにさせられて中をしっかりと守られてしまいました。もう少し「無理をするプレー」があればよかったですね。攻め方ができていませんでした。
勝負の世界に生きる選手はもう少し厳しさがあっていいと思いますし、今後の練習でそのあたりの指導をしていきたいです。」(イクヲ氏、試合後のインタビューより)

それにしても、ゲームはドローだったが、イクヲさんと上田さんの鬩ぎ合いは面白かった。

今日の鳥栖スタには、エルゴラッソ特別版が。他のJの競技場でも対戦カード用のが用意されているのか。大きなスペース割いてtotoの広告が入ってはいた。