you'll never walk alone(加筆)

ゲーム前は、守りあい、守備の鬩ぎ合いが見もので、まさか6点も入るようなゲームになるとは、およそ誰も予想しなかっただろう。
ミランは、守りに関しては世界最強チームと言っても良いチーム。
対するリバプールも、CLを、堅い守備力で、なんとか決勝まで勝ち進んできた。
ゲームの模様は、多くのところで語られているので。試合後の雑感を少しだけ。

得点は、前半ミランが3点、後半リバプールが3点と、経過だけ見れば、凡そCL決勝らしくはなかったかも知れないが、どちらのチームも底力を見せ、持ってる力と特長を、存分に出して戦ったと言って良い。

前半の主役は、ピルロ
その視野の広さと、的確な位置取り。舵取りとしては世界屈指のプレーヤーである彼が、彼の動きでもって、前半ミランは、中盤を制覇していた。
自分は、好きなガッツーゾ視点で前半のゲームを楽しめたが、随所に見せる、中盤の底に網を張るピルロのプレーぶりには今更ながら感嘆した。

後半の主役は、ジェラード!
彼は、このゲームのMVPだけでなく、CLにおいては、バロンドール受賞ものの活躍であった。後半開始時点で0−3のリバプールに、火を付けたのは間違いなくジェラードであったし、3点目も、彼の突破で得たPK。
生え抜きの選手であり主将を担うジェラードも、今となってはなんとも頼もしい選手となった。

そして、試合全般の主役は、3万人と言われるリパプールサポ。
彼らのうなりをあげるような歌声と、選手の士気を高め、彼らを背中から鼓舞する応援と熱狂は、最後まで落ちることなく。やがて、それが、歓喜の大爆発となったのだが。
こういうクラブ同士の戦いは、戦争であるし、何より必要なのは、選手たちを突き動かす煽りと熱狂のアジテーション
PK戦を選手たちとともに制したリバプールサポは、イスタンプールまで、3万人が民族大移動した甲斐があったというものだ。

熱戦を制した勝利の雄たけびは、彼ら自身の魂の叫びである「you'll never walk alone」。
この大音量を耳にすると、リバプールサポだけでなくとも、胸熱く、涙がふきこぼれてしまうものだ。
この冬、日本で開催される世界クラブ選手権でも、彼らの歌が聴けることだろう。

戦いを積み重ね、歴史を重ね、やがて日本にも、このようなステキなサポーター集団が生まれることであろう。そう、各地で既に、その胎動は見られる。

リバプールは、今シーズン、14敗もしたリーグ戦は、順位は5位。
6位のボルトンとは、同じ勝ち点で、来季のUEFA杯出場にようやくこぎつけた。
CLは、毎試合が、力としては相手が上の強敵揃い、ユベントスチェルシーを打ち負かしてきた。
しかし、最後に勝ったものこそが一番称えられるべきだ。
最後の最後に、アンフィールドはまさかのビッグイヤーとなった。
21年ぶりの優勝、おめでとう!