若武者たち

今晩のオーストラリア戦を前に。
■オランダ戦
ワールドユースに出かけている北斗(中村)やなぎら(柳楽)のこと。
再び、HD録画引っ張って見る。
さて、オランダ戦の前半6分の失点には伏せんがあることに気づく。

それにしても、オランダの選手たちにはガタイの大きさや強さだけでなく、サッカー眼の深さを感じてしまう。
広い視野を常に持つこと。
ピッチを、可能な限り幅広く使うこと。
パスは、遠くへ強く蹴りこむこと。
できる限りグラウンダーを使って前へ蹴りこむこと。

スローやストップ、巻き戻しに早送りは、何度重ねてもHDだと簡単操作。
さて、問題の前半6分。

左に張るFW7クインシーがゲーム開始からライン沿いに突破を図る。担当するのは北斗。
6分の得点シーン前に、2度!ライン沿いを疾風のごとく突破する。これが伏せんになった。
前半、クインシーがボールを持つ。クインシーのスピードが、並大抵ではないことを察知している北斗は、当然ながらライン沿いに身体を寄せる。北斗は、速さに対応するべく、一定の距離を置く。クインシーはそこを見逃さない。今度はライン際でなく、悠々と中への突破を図る。もちろん、ボールを持った瞬間にルックアップし、味方の選手の位置、攻め手の線を見極めている。オランダの選手たちが、速いとか大きいとか強いとかだけでサッカーをしていないことがわかる。

前半14分。再びクインシーにボールが渡る。北斗と1対1。

国見の頃から、アビスパに入っても、スッポンのように喰らいつき、諦める事を覚悟したことのない北斗は、見たこともない異次元選手に、完全に混乱している。
またも寄せきれていない。反対側の水本とは違う。そして、クインシー抜ける。
オランダは完全にホーム。日本代表の選手たちは完全にアウェー。
ゲームの入り方。まずは様子を見よう、自分たちのいつものサッカーをしようと取り組んだ選手たち。
そして、アウェーの荒波に揉まれる選手たち。そして北斗。
こうなれば、北斗だけでなく、2人、3人とクインシーがボールを持つ前に、寄せるべき、カバーすべきだが。

前半16分、またまたクインシー。今度は北斗だけでなくなぎらも加わり3人で寄せる。しかし寄せ方がまだ甘い。抜け出されて再び失点0−2。
オランダの国内リーグの上位クラブで活躍する選手、オランダ代表にも選ばれる選手たち。したたかさは十分に身につけている。
これでは、平山、兵頭ら、大学生を中心とした日本代表では立ちゆかない。素質や将来性だけではゲームはできない。
サッカーは、何より経験値がモノを言うのだ。
2失点で、勝負は決してしまった。
ベナン
今朝は、早朝にシャワー浴びて、のんびり再びの録画観戦。
国際映像で、いきなりウルトラオブリの圭吾氏のアップ。なんとも不思議な映像感触(笑)
大熊さんは、このゲームを「最も重要なゲーム」と位置づけていた。
それは、梶山を先発させたことに現れている。
しかし、日本は、中へ中へ、大きく縦へ。平山目がけて放り込む。舵取り役が舵取りできないサッカー。
身体能力の高いアフリカのチーム相手にこれまで通りの単純な攻め。
右ハーフに入った北斗のスピード、縦への突破を生かそうとしていない。前半、北斗の決定力は鞘に納まったまま。
彼のせいではないが、「最も重要なゲーム」と位置づけた割には、躍動感創出できず。
北斗は、前戦、オランダ戦での前半は、1対1になる前に、一度相手に身体を当ててなかったが、このゲームは修正できておりいつも通りの守備ができていた。
それにしても、どうしてもサイドの左から攻めたいならば、一度右へ振り、逆サイドへサイドチェンジすることで少しは穴は開くハズなのだが。組織的な攻めが余り見られず。
前半33分。いいプレーがあった。

梶山→平山→カレン→平山と渡ったパスはいずれもワンタッテ。
中央でのワンタッチは、相手DFを切り裂いていった。
このようなプレーは今後ともに増やしていきたいものだが。
梶山のインターセプトと、カレンの判断力の良さが生きた惜しいチャンスではあった。

さて、このゲームの唯一の失点シーン。

右サイド寄りで受けた兵藤が、簡単なボールをトラップミスし、FW12アグベシにかっさわられ、アグベシがドリブル突破。ペナルティーエリア手前で日本DFを引き付け、左に走り込むメガにパス。メガは、左から右へ一度切り返して水本を振り切り、右足でゴールを揺らす。
ベナンは、相手のミスにつけこみ決定的なシーンを作る。

後半5分。

北斗がフリーでボールを持つ。右から中央へ切れ込み技術の高いループ気味のパス。平山に合わせるが届かず、後半から入ったファーにいた水野が、強烈なボレーシュート。惜しくもGK正面。

後半20分。日本の得点シーン。

家長が左サイドからドリブル突破。ペナルティエリア直前で相手DFに阻まれFKを得る。
水野のFKは、見事にゴールネットを揺らす。
家長のリスクチャレンジや良し!
このシーンだけは、99年ナイジェリアの本山のようだった。

このゲームは、後半に入った水野の突破によってサイドの家長などが生きるようになった。
■決勝トーナメント
日本が進出できる可能性は。

<日本ーオーストラリアで勝利>
ベナンがオランダに引き分けか負け=日本の2位通過が決定
ベナンがオランダに勝利=日本が3位(勝ち点4)となり、他グループの3位(日本含め6カ国)の中で上位4カ国に入る。
順位は勝ち点、得失点差、総得点、フェアプレーポイント、抽選の順。
<日本ーオーストラリアがドロー>
ベナンがオランダに2失差以上の負け=日本の2位通過が決定
ベナンがオランダに1点差の負け=総得点で日本が上回れば2位通過が決定
ベナンがオランダに1点差の負けで、かつ日本と総得点も同じ=フェアプレーポイントシステム(総警告数の少なさ)で日本が上回れば2位通過が決定。(現在の日本の総警告数は2)
フェアプレーポイントも同じ場合は、大会組織委員会による抽選。

さて、北斗のいない博多の森へ。