「クラブ・大分トリニータの成功」その1.

自治体の覚悟
02年にWC杯が開催されたスタジアムは10箇所。
WC開催は、何といっても自治体の理解と多大な投資があってこそ。
しかし、代表人気にあやかって日本サッカー協会の収入は大幅に伸びているが、十の競技場を持つ自治体の競技場運営は、現実、大変に厳しく、スタジアムの赤字には未だに無策である自治体もあるようだ。
ちなみに、協会の今年度予算は、収入部門は147億円である。06年WC出場決定で更に大幅な収入増が見込めるだろう。

        建設費  赤字額(億円)
宮城スタジアム 250  4.0
新潟スタジアム 312  2.9
埼玉スタジアム 356  3.8
静岡スタジアム 300  4.0
大分スタジアム 251  2.5
(10日付け日本経済新聞による。赤字額は03年度)

金利を加算すればこの赤字額は、更に膨大なものとなる。
芝の管理や人件費などで年間6〜7億円を要するという埼玉県は、「埼玉スタジアムとことん活用委員会」なるものを立ち上げ、赤字を減らす努力をしているという。
また、WC後、5万人収容のスタジアムが満員になったのは、たったの2度。それもSMAPのコンサートのみ、という宮城スタジアム
地元のJ2ベガルタ仙台は、今季、一度も!試合を予定していない。
交通アクセスの問題の改善なしには困難なのかも知れないが、宮城スタジアムについては大変大きな問題を孕んでいる。自治体も、ただの名誉のためや祭り騒ぎの便乗だけでは、今後の自治体住民の理解は得られないだろう。
使いやすい、開かれた競技場として、安全面やサービス面を充実させた上で、自治体に赤字解消の覚悟はあるのだろうか。
民間であれば、とっくに破産・倒産である。
■ビッグアイ
ビッグアイの最大の”売り”は、6,030台収容の駐車場であるだろう。
競技場を取り巻くエリアを9つに分け、開催日は警備員の誘導とシャトルバスの利用でスムースに観客を運んでいる。
これほどの大規模な駐車場設備とスムースな運営は他にないと思う。
私は、JR大分駅からのバスを利用するか、高速飛ばして車で行くかは半々であるが、ビッグアイの駐車場設備と運営手法は、大分トリニータの成功の基を支えていると思う。
トリニータのホームゲーム以外にも、コンサートやフットサルなどで利用され、毎月第3日曜日は、「ふれあいスポーツデー」として、太極拳やエアロビ、また朝市なども開催されている。
この10月、このビッグアイでJリーグオールスターが開催される。