後半戦、初戦
【J2第23節、福岡ー湘南】:博多の森球技場
湘南は、バランスに優れたチームである。パス、ドリブル、クロス、インターセプト、クリア、どれをとっても平均点以上のチームである。数だけ見て少し足りないとすればシュート数だけであろうか。
福岡 湘南 ゴール : 31 24 クロス : 443 356 ドリブル・ラン: 686 586 パス : 8,587 8,304 インターセプト: 155 144 クリア : 1,686 1,607 タックル : 496 495 シュート : 244 199 (数字は、第22節までの総数。いずれもマッチデープログラムより。
(写真:7.30博多の森にて)
その湘南とは元々相性が良い。前季は4連勝し、今季の対戦成績は1勝1分。
前線の柿本(00福岡ー01クレメンティ/シンガー02大分)はガタイもあってキープ力に優れ得点能力も高い。これまで10得点と得点ランキングも甲府バレーに次ぐJ2、2位である。
彼、柿本を千代反田がどう抑え切るかがこのゲームのひとつのポイント。
DFは、気持ちの強いセンターバック、パリシッチの欠場があり、FW田中や有光のつけこむスキはあるだろうと見ていた。
■兄弟、初先発!
前半は、どちらも決定的な場面には至らなかったが、緊迫した良ゲームとなった。両チームとも守備の意識が非常に高く、しっかり守りあった前半。0−0。
このゲームのアビスパは、左SBにアレックスの代わりに山形辰徳、右サイドに山形恭平の初の兄弟先発が実現した。
辰徳は、要所要所に顔を出しディフェンス面に穴を空けることはなかったし、兄弟とも気持ちが高揚していたのか動きが良かった。辰徳は初先発合格。
千代反田と宮本は時たまミスもあったが、柿本や梅田に決定的な仕事をさせなかった。
また、FWは好調な田中佑昌が有光とともに先発し、田中は後半からはボランチのグラウシオに前線を譲り右サイドへ回ったが、中々キレのある動きをしていた。
しかし、チームとしてのアビスパの前半は、特別良くもなく”普通”であった。シュート数は、アビスパが6本、湘南2本。全体としてはアビスパのサイドもいつもより無理して上がらず守備重視の戦術をとっていた。
このまま湘南がコンパクトさを維持ししっかり守ればドローもあるかなという内容だった。
(写真:7.30博多の森にて)
■田中佑昌の成長
後半、湘南のサイドが若干動きが鈍ったように見えた。
この日は湿気を含んだ空気に、雨の後の濡れたピッチもあり疲労感が早くでるだろうと思っていたが、湘南の方の動きが次第に鈍ってきた。走れなくなってきた。
後半24分、戸田に代わって入ったDF白井に対し(笛吹き童子の)家本がイエローを出した後、田中の3試合連続ゴールでアビスパが先制。
サッカーは先制点の意味と意義が殊のほか大きいスポーツ。湧き上がるアビスパサポーター。ようやく動きが軽くなるピッチ上の選手たち。
続けての31分、グラウシオがトドメのゴールを決めて2−0。
アビスパ相手に最初から守備的に戦い、FWのふたりと加藤だけで攻撃の組み立てをするベルマーレは、惜しい場面はあっても得点の匂いは余りしなかった。
アビスパは中断期間の調整方法が良かったのだろう。一部を除いて選手たちは最後まで走れていた。松下不在で心配された中盤もどうやら凌ぐことができたし。
新たな人材の登用などで全体の連携は今ひとつのところがあったが、個々の選手のコンディションは良いように思えた。
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(写真:7.30博多の森にて)