鬼神の如く

[J1第20節、鹿島ー新潟]:県立カシマサッカースタジアム
これまでは反町氏の策略にはまり新潟に中々(一度も)勝てない鹿島。
しかし、この日出場したオガサは”鬼神の如く”であった。
この日はオガサが入ることによってチームとして沈殿していたモヤモヤも、あらゆる苦手意識も克服してしまう破壊力があった。
■一方的なゲーム

1試合抜けたことが、これ程精神を高揚させるのだからサッカーは面白い。
ピッチ上でボールに触るオガサの動き一つひとつに意味があったし、この日の全ての攻撃の起点になっていた。
彼は、彼自身が持ってる引き出しを全て開けて戦っていた。
もちろん彼自身は内なるものとも戦っていたのだろうが、ピッチ上のオガサには何より全力でプレーすることしかなかった。

アレックス(ミネイロ)も良かった。彼のキープ力と決定力はオガサがいることで生きたし、前線でボールが収まると両サイドも楽に上がれる。新井場も名良橋もサイド奥まで上がれたし中央への寄せも得意のミドルも打てた。
本山も元気だった。オガサの復帰を一番喜んでいたのは本山だろう。
隆行もすこしづつ復調している。ゴール前の恐ろしく決定的な場面にタイミング合わず空振りしたのはご愛嬌。交代するまで彼らしく汗かきをしていたし、DFWとしてしっかり守っていたし、スペース作りに奮闘していた。

[鹿島の7得点]
前半31分、隆行のヘディングのこぼれを本山が走りこみ滑り込みシュートで1−1の同点。
前半38分、遠めからのオガサのFKをこの日センターバックを張った羽田が頭に当ててゴール、2−1。
前半44分、隆行が倒れて得たFKをオガサが見事にゴール右隅に直接決めてゴール、3−1。精魂傾けた右足の振りぬき。
後半27分、これは圧巻だった。ボールを得た新井場が後ろからドリブルして切れ込み、やや左寄りから約25mの見事なミドルシュート。新井場は非常に技術の高いボールを蹴った。4−1。
この後、新潟はリマがゴールして4−2。
後半38分、新井場からのパスをアレックスが決めて5−2。こうなったら鹿島は押せ押せ。新潟は防戦一方。
後半42分、途中出場の深井がゴール前にパス。オガサが蹴り込んでゴール。6−3。祭り状態のゴル裏はオガサにエール。応えるオガサ。
この日のゴル裏は、終始一貫、ピッチ上に魂を送り続けていた。
後半44分、途中出場の野沢が自ら作った決定機に、天才野沢とも言われる技術の高いところを見せた。彼は両足が使える上に、足首の振りぬき速度が猛烈に速い。ゴールに押し込みゴール。7−2。

このように攻撃がハマったのはいつ以来だろうか。
DFは、大岩、岩政不在の中、羽田も内田も必死の形相で良く奮闘していた。
次節は岩政が戻ってくる。