見世物としての代表戦

牛たんを腹に収め、台風の影響を受ける風曇の下、宮城スタジアムへ向かう。
当日券も出るほどの心配なホンジェラス戦であったが、宮城スタジアムは、メイン上部に少し空席がある程度で、ゴル裏もバクスタもブルー一色の4万5千人。

主審のクォン・ジョンチョルさんはじめ審判は韓国人3人。第4審判が家本氏であった。
結果は、得点も5−4と大味なゲームだったので細かくは振り返らないが、日本代表は海外組6人を中心としたメンバーで、強いていえば久しぶりの稲本や浩二の両ボランチ連携テストといったところか。
自分は、ヤナギはもちろんであるが、密かに「稲本に期待して」ゲームを見ようと思った。

結論から言えば、はっきりいって日本代表の選手たちのほとんどはホンジェラスチームを舐めていたと思う。

ホンジェラス代表は主力抜きでしかも来日3日目程度。監督も交代し10年WCに向けて新たなチーム作りをしようという初歩の初歩の段階。
しかしジーコジャパンとしては確たる目的も意思統一もなく試合に臨んだのではないか、と思われるようなゲームであった。

確かに”見世物”としては面白く、得点経過からいっても観客としては見るに楽しいゲームであった。
たかが親善試合というなかれ。これも代表強化試合のひとつとして臨んだ筈だ。
しかしこれまで幾たびの積み重ねをしてきたはずの代表チームとしては見るべきものが何もなく、内容はヒドく貧相なもの。
一部選手の活躍で勝利はしたが、史上稀に見るイタい試合(失敗ゲーム)だと自分は思う。

稲本も浩二も前半は周りと全然連動していなかったし、サイドは引き過ぎ、中盤は前がかりになり過ぎ、そのバラバラさ加減とミスをホンジェラスに突きこまれてしまった。

後半20過ぎてホンジェラスの足が急に止まり、ようやく挽回したのは良かったとしても。ヒデの修正力と、ヤナギとオガサのやる気以外に、チームとして今後に役立ち見るべきものはなかったといって良い。
(ヒデの修正力については別のところで述べてみたい)
稲本もチームに戻りなんとかキレを取り戻して欲しいと思う。
宮城スタジアムの運営にも大きな問題もトラブルもなく結果も勝って良かった、のであろうが。自分はそういう気持ちには全然なれない。
(スタジアムの運営のことでは細かいことで不審に思ったことがあるがここでは述べないことにする)

ホンジェラスでなくともジーコも気がついてるとは思うが、日本代表の大きな穴が左サイドにあることは世界の常識になりつつある。

個人的にはヤナギの2得点とオガサの意地の得点が嬉しかった。
このゲームは久しぶりに録画を見る気がおこらない。