「アフリカ”確変”」

5大会出場のカメルーン、3大会連続出場中のナイジェリア、02年ベスト8のセネガル、10年WC開催国の南アフリカなどが、無残にも今大会のWC予選を敗退した。
アジアの緩くて広い出場枠と違い、アフリカサッカーは極めて厳しい激戦の中を4つの新興国が勝ちあがる。
今回の予選で、アフリカには「国の経済的・政治的安定」と「良い指導者」さえ揃えばWC出場の夢が適うことを証明した。このことは他の新興国にも希望の指針となる。
欧州列強も最近では植民地出身の選手や移民出身の選手が多くなってきている。4つの新興国の本大会出場はアフリカサッカーの裾野を広げ、分厚く力強い波となり、世界の新たな胎動となろう。
2010年はそのアフリカでWCが開催される。この地殻変動はアフリカの時代の始まりなのかも知れない。

[チュニジア]:FIFA23位
監督:ロジェ・ルメール、WC出場:3回(78、98、02)
人口:992万人、56年にフランスより独立。02年WCでは日本とグループ同組。
[コートジボワール]:FIFA50位
監督:ミシェル・アンリ、WC出場:初出場、人口:1,696万人、愛称は「エレファンツ」。コートジボワールは強豪カメルーンを差し置いての出場。
FWアカレなどフランスリーグで活躍する選手が多い。もちろんFWドログバチェルシーのエース。
国内情勢は不安定だがWC初出場で復興への励みとなろう。
11月には日本代表との親善試合も決定。(11月16日、国立競技場)
[トーゴ]:FIFA54位
監督:ステファン・ケシ、WC出場:初出場、人口:543万人。
ケシ監督は、元ナイジェリア代表主将。決定力のあるエースFWアデバイヨルはナイジェリアより帰化した選手。
トーゴは日本の7分の1の小国で、同組のセネガルを抑えての出場。
[ガーナ]:FIFA62位
監督:ラトミール・ドゥイコビッチ、WC出場:初出場、人口:2,047万人。
アフリカネイションズ杯では最多の4度優勝。エースMFムンタリウディネーゼで活躍。
[アンゴラ]:FIFA65位
監督:ルイス・G・オリベイラ、WC出場:初出場、人口:1,077万人
独立30年、長い内戦を超えて悲願のWC初出場を果たす。アンゴラは124万平方kmとアフリカでも広大な面積を持つ。同組ナイジェリアには1勝1分。