「北斗」という名の☆新星

札幌戦に3−0と快勝したアビスパは、J1復帰まで「マジック2」となった。
残り4試合。次の2戦、草津戦(A)、徳島戦(H)を連勝すれば他チームの勝敗に関係なく、自動的に昇格・復帰することになった。

■組織で守る
京都戦や三ツ沢で見たアビスパも、昨夜の札幌戦も同じアビスパである。
ゲームは、時たまうまく行かなかったり、うまくいったりする。
贔屓目でなく、うまく行った時のチームには、本当に「力」があると思う。
昨今のJ2のゲームで、うまくいかないのは、ゲームの一部で気を抜いたり、走るべき時に走らず(手抜きをしたりして)リズムがうまく作れない時だ。
昨夜の札幌戦は、スタジアムも含め、全員で戦っていた。サイドにまわった山形恭平は、宮崎光平とポジションチェンジを繰り返しながら、後半には胸を押さえ息切れし、試合後に点滴を1時間以上も打つほど全速で走った。
中でも、全員で守備をしっかり組み立ていた点が際立っていた。
アビスパの長所と強みは、”組織力で守り相手にシュートを打たせない”ところなのだが、それができたゲームであった。

             福岡   札幌
得点数      3    0
シュート数   12    2
被カード数    0    2 

試合後の”中村北斗のインタビュー”を見れば、多くを語る必要はない。

「今日の目標は、気持ちを見せるプレー、がっつり行くところをファンにも見せたかったし、自分の中では、連敗していたんでチームにいい流れを持ってこようと思っていました。試合前の3日間とか、自分の思うようなプレーが出来ていたし、体も前のように重たくないし、痛みとかも感じなくなったんで、その辺が大きかったと思います。」(試合後のインタビュー)

■米田の穴
自分は、以前、横浜戦前に「北斗に期待する」と書いた。
しかし、三ツ沢で彼は、先発はおろか後半(31分)に、ゲームの結果が出てからの出場であった。
松田さんを責めるわけではないが、京都戦完敗の後の、雨の三ツ沢のスタンドで、「打つ手を誤っている」と思い、感じた。後だしジャンケンのようであるがここに書いておきたい。

アビスパは、組織で守るチームである。おそらくその要はボランチのコンビにあるのだろうと思う。
今季、長い時間をかけたが、京都レベルのチームに比べて、勝ちきれていないのはチームとして前季までの(柱谷に抜かれた)「米田」の穴を埋めきれていなかったのだろうと思う。

札幌戦で、昨季の米田以上の働きで結果を出せた北斗を褒めてあげたいし、彼の力を認めたい。
あちこちで書かかれているが、全員が感涙し喝采した魂あふれるホベルトのプレーも、北斗が相棒としていればこそだろう。
札幌戦、彼・中村北斗は、全盛期の鹿島の本田泰人のようであった。