新旧交代

公私多忙で中々に余裕のない日々。
なんとか時間作り、日曜はビッグアイに行ってきました。
以下、ゲームの”雑感”を仕事の合い間に少しづつなぞっていきます。
今季は、5月初めのFC東京戦、10月末のオシムジェフ戦と、この日(11月20日)が今季3試合目のビッグアイ観戦。

厳しい財務状況もマルハン支援でなんとか乗り越え、最近の大分トリニータのこの間の変貌ぶりは、”来季のシャムスカ兄弟の仕事ぶりが本当に楽しみ”になるほど強さと安定感が増してきています。
(個人的には、来季は何度も足を運びそうな予感)


■興味深いブラジル人監督同士の対決
メインスタンド観戦は、セレーゾを右に、左にシャムスカという国内では名だたる楽しみな指揮官同士の対決。

どちらもブラジル人監督ですが、片方は失望に喘ぐチームを短い期間でものの見事に活性化し、今やまさに売り出し中。
かたや、3冠監督として栄光を欲しいままにしながら、長過ぎた日本での指揮官生活を終えようとしている名物監督。

優勝争いの鹿島とのゲームは、両監督のピッチ横でのジャージ姿の指揮ぶりを生々しく観戦できて、非常に興味深い試合となりました。
ベンチからの飛び出し速度や大振りな右手のシグサ、選手への声かけ頻度では首巻きタオルのセレーゾにかないませんが、機を見てベンチを飛び出すシャムスカもなかなかのものでした。
もちろん今の所、地位も名誉も栄光も、ベンチ前でのパフォーマンスが醸し出す雰囲気も魅力も、セレーゾには太刀打ちできませんが、指揮官としては一部では将来を嘱望されているシャムスカ
スタイル抜群で横顔もカッコいいシャムスカも、チームが強くなればなるほどそれも”絵”になろうというもの。
それにしても、指揮官次第でサッカーチームがこうも変わるものか。

*[ビッグアイのバクスタ]
ビッグアイのゴル裏は女子や子供さんも多く、所謂ゆるい。ゴル裏のバクスタ化で、膨大な数のサポを巻き込んだ応援をしている。

*[ゴル裏もイロイロ]
整然とした応援の鹿島ゴル裏。鹿島は耳慣れたリズムを大切にする応援で、太鼓をたたかせたらこの集団には勝てないような気がする。

こうやって見ると、アビスパのウルトラ達の応援は男臭くて汗くさい、閉鎖集団の応援にも見える。

■両者譲らず
ビッグアイに3万人もの観客が集まったのは、監督交代後の最近の好成績によるものと、大分が内容のある良いサッカーをしていることにあるのだろう。

しかし、この日の大分は、ジェフ戦で見せたような2列目、3列目からの飛び出しがほとんど見られず、前半はセットプレー以外には得点の匂いがしない、少しぎこちないサッカーでした。
おそらくそうせざろうえなかったのは、個人で勝る鹿島の戦い方によるものと思います。
鹿島は、小笠原を怪我で欠くものの、代わりの増田の奮闘と、リカルジーニョ、フェルナンドの両ボランチのポジショニングの良さと相手ボール時の寄せの早さで大分を自由にしなかったことにもよるのでしょう。
鹿島は、攻撃面では、新井場、青木の両SBが外から内側へ切れ込み、攻撃の組み立てを行っていましたが、FWアレックス・ミネイロの調子が今ひとつのようでした。
大分も、エジミウソントゥーリオの両ボランチコンビが相変わらず良いと思いましたが、全般的に、良かったのは相手ボール時の早いプレッシャーで、互いにバイタルエリアには中々食い込めず(むしろ前線との連動は今ひとつで)決定機の数は鹿島の方に分があったと思います。

それにしても、セレーゾのサッカーにはほとほと飽きた。と思わせるゲームでもありました(笑)
選手たちの個人に依存した(依存し過ぎた)サッカーで、局面での打開に組織の匂いがかけらも感じれない。ボールを出して眺める。走れない、遅攻の極意をゆくサッカー。
受け手も走らないサッカーに、残念ながら現在の鹿島の若い選手たちが染まってしまっています。攻撃時に選手が連動して動けないから、首巻きタオルなびかせて叫んでるのか。

ヤナギと浩二がいなくなって、セレーゾのサッカーも色褪せが目だってます。

自分が買っている天才野沢は宝の持ち腐れ。野沢には、是非とも来季ジェフかアビスパで。

同じブラジル出身の監督でもサッカーがこうも違うのか、と。

ゲームは、互いに動きが鈍くなった後半20分過ぎのようやくの得点でドローとなりましたが、局面局面は見応えのある良いゲームとなりました。
このゲームは、強豪チーム相手に、敢えて横綱相撲をした大分を褒めたいと思います。

自分は、個人的には隆行の調子具合を見たかったのですが、後半35分を過ぎての出場で、2度ほどゴール前で見せ場がありましたが、キレ具合を推し量れるようなものではありませんでした。

密かに期待している隆行には、もう少し長くピッチの上での動きを見たいものです。