今のままでは勝ち点2以上は困難?

WC本大会の組み合わせが決定したのは10日に書いた。そのことについて現在時点での感想を少し書いておきたい。
■F組は楽ではない

[F組:日本代表の予定]
6月12日15時:オーストラリア(ヒディング監督)戦
    試合会場:カイザースラウテルン、日本時間午後9時
6月18日15時:クロアチア(クラニチャール監督)戦
    試合会場:ニュルンベルク、日本時間午後9時
6月22日21時:ブラジル(パレイラ監督)戦
    試合会場:ドルトムント、日本時間午前4時

あえて悲観的に書くわけでなく。冷静に相手チームの状況などを相対比較してみると、非常に厳しいWC本大会となりそうな予感がしています。
もちろん、頑張って欲しいとは思っていますが。
■初戦のリズムの悪さ
初戦、オーストラリア戦に「全てを賭ける。この1戦の準備を今日から始める」と、ジーコは言ったらしい。
そういえばこれまでのジーコジャパンは、初戦に必ず苦しんでいる。

・04年2月、アジア一次予選。オマーン戦はロスタイムまで0−0。93分にクボのゴールでようやく勝つ。
・05年2月、アジア最終予選北朝鮮戦も、ロスタイムまで1−1。91分に大黒のゴールでようやく勝ち点3を上げる。
・05年8月、東アジア選手権北朝鮮にミスから先制される。ゴール前で混乱したのは日本の方で黒星スタートとなった。

ヒディングが指揮してもオーストラリアとは戦力的に日本が少し上だと思う。しかし、リズムに乗り切れないチームが、ヒディングのチームと「初戦に」やるのはちょっと難儀だと思う。

(某所で、敬愛する発汗さんから、「オーストラリア代表メンバーは欧州のクラブチームで先発張ってる連中ばかりだから、『戦力的に日本が少し上』とは見きれない」しかも「初出場、初勝利を目指しモチベーションも高い」とご教示頂きました。その点、ごもっともだと思います。代わりに、日本の中心選手はWC3大会連続や2大会連続出場という経験があるのですが。)

自分は、今現在で予想すると、厳しい戦いになって”ドロー”の確立が高いと見る。
これまで通りであれば日本代表のテンポが良くなるのは3戦目あたりだろうか。その3戦目は、ロナウジーニョアドリアーノがいるブラジルである。
クロアチアは相当に強い。
欧州予選のグループ8の首位を走ったクロアチアクロアチア戦は深夜のスカパーで2ゲームほど見たが、クロアチアは”負けない”非常に堅固な戦いをしていた。
しかもあのスェーデンに2勝したのだ。

欧州予選で一番強かったのがオランダ。強固な守備を誇ったのがセルビア・モンテネグロ。その戦いぶりから、本番で力を発揮しそうなのがスイスとクロアチアだと思う。
欧州予選段階では、オランダが図抜けており、Bグループが堅守のイタリア、世界最高の中盤を誇ると言われるイングランド、欧州予選最高得点のポルトガル、そして主催国のドイツ。Cグループにフランス、スイス、クロアチアチェコウクライナ、スペインなどが入るものと自分は思う。
韓国が、スイスから勝ち点奪うのは並大抵ではない。

自分は、今回の台風の目は、魅力的なサッカーをしてるスイスだと思うが、クロアチアも侮れず、彼らはベスト8に進出する位の力はあると見ている。
クロアチアは、今の日本代表が簡単に勝てる相手ではない。

両国を知るオシムさんもドロー後のインタビュークロアチアをブラジルの次に上げている。
このインタビューは、非常に興味深い。

「疑いなくクロアチアの方が優勢だろうが、日本人にそう察しさせてはいけない。もし日本を過小評価したならば、彼らはとても危険だ。過小評価は彼らにとって、とんでもないモチベーションとなる。」(オシムさん)

オシムはオーストラリアについても語っている。

−そのオーストラリアについては?
「彼らはグループFの秤の錘(おもり)となる存在と言えるだろう。全てのオーストラリア選手がヨーロッパでプレーし、フィジカルは素晴らしく準備されている。クロアチアのタレント性(チームに多くのクロアチア人がいるため)とオーストラリアの教育度が組み合い、彼らは本当の"破壊者"と言える。そして素晴らしい監督もいる。フース・ヒディングは注意しなければならない人物だ。」

どうせなら、ブラジルとは初戦に当たった方がいいのにと、深夜の抽選会を見ながら自分は思った。