「ドイツに向けて」その1.

■「クラブチームの時代」Ⅰ
Jリーグクラブチームを頂点とした地域クラブの定着は、国内サッカー界に大きな刺激と発展をもたらし、(簡単に書くと)JFLあるいは地域リーグを裾野にして国内サッカー界は次第に勃興期から第二次発展期へと移行しているようにも思う。
開催中の高校サッカー選手権大会も順調に日程消化し、その熱い戦いは大いに注目を浴びているが。地域のクラブチームの経営的安定が前提ではあるが、100チームは先の話しとしても現在進捗中のクラブチームの経営的あるいは運営的成功モデルを見るにつけ、Jリーグが掲げた「J百年構想」は多少の紆余曲折はあるものの一定の大きな成功を見ていると認識してしていいだろう。
時代の変化に合わないクラブは降格・衰退の憂き目に会い、チーム作りのやり直しに直面する。そういう意味では近い将来の3部、4部の創設は当然の成り行きだ。
成熟し始めたサッカー界には時代的栄枯衰勢はつきものだが、4年前に出直し的改革を高らかに実践したヴァンフォーレ甲府のJ1昇格と躍進は今後のひとつのモデルともなりうるだろう。
プロ野球は何の参考にもならない。
変革を忘れたビッグクラブの成功が永くは続かないのは当然であるし、サッカークラブは大きければ何も良いとは限らない。歴史と伝統あるビッグクラブを否定する訳では決してないが、価値観多様化のこの時代には(低予算でも)キラリと光る良いサッカーを実践するチームこそ求められる。
カップ戦を制したジェフユナイティッドの成功を見ても、小クラブの誇りあるアイデンティティの確立が次第にできつつある。
■代表チームの今後
さて、そのような中での日本サッカーを代表する日本代表チームの躍進・発展ぶりはどうなのだろうか。
ドイツ大会が国内サッカー界の発展ぶりを表現・象徴する大会となるのか。それとも代表チームの存在が次第に細く小さくなっていくのか。全ての成果は、人材的には史上最強とも言って良い選手たちを揃えた日本代表の結果にかかっている。
(この項つづく)