「オリバー・ツイスト」

戦場のピアニスト」では、ユダヤポーランド人に廃墟の中でショパンを弾き続けさせ、ピアノの音色に”死者たちの叫び”を描いたポランスキーであるが。今回は一変して子供たち向けの映画を作った。
予想に反して(?)自分が出かけたシネコンキャナルシティ)の観客席は空席を探すのが大変な位の満席。シートは二人連れが多かったが映画好きな大人たちばかりであった。
19世紀のロンドンが舞台。
ロマン・ポランスキーは、ディケンズの小説に合わせ、ロンドンのキングス・ストリート、ジェイコブス・アイランドと呼ばれるスラム街などを克明に再現していた。

ディケンズ:1812〜1870、イギリス、法律事務所の事務員から新聞記者を経て小説家へ。代表作「オリバー・ツイスト」の他に「クリスマス・キャロル」「二都物語」など。

オリバー・ツイスト」は、かって1922年、1947年そして1968年と約20年毎に制作されている。
68年は一世を風靡した名子役マーク・レスターが主演し「オリバー」を映画化。
1985年にはイギリスで345分もの大長編で映画化。
また1988年には「オリバー/ニューヨーク子猫ものがたり」と題してアニメ化。これはマンハッタンの雑踏の中で生きる捨て猫の物語。

12歳の子役のバーニー・クラークが名演。そして貧しく悲惨な場面が多かったのだが実に見応えのある映画でした。