まるでTRM

[ナビスコ杯、福岡ー浦和]:博多の森球技場
雨の日の、平日の夜のゲームにしては、思ったよりも多くの観客が見えた。
しかし前半は見るに耐えないゲームであった。一体全体どうなることやら、全然ゲームにならなかった。

稀代のサッカースペシャリスト酒井。チーム内の働きではすでに小野を超えつつある日本の”カカ”と呼ばれる長谷部。
このふたりに、おそらくうまさでは史上最高と言われる小野伸二が組んだトライアングルは、組織的に未整備の今日のアビスパの組み合わせではどうにも止めれなかった。

怪我明けでは初先発となる誠史と布部と宮崎。そして久しぶりの吉村が先発。
メンバーを見ればいかにも調整試合であることが見てとれる。
彼らと、控えのメンバーをピッチに立たせても組み合わせ自体が未整備であれば守備組織も機能はしない。
おまけに前線ふたりは薮田のような攻撃的な守備はできぬ。
それに加えて悪いことに、ポストになるべき林にボールが収まらないからサイドの誠史も宮崎も全然上がれない。
前半はいいところ無しで、久しぶりに途中で帰宅しようかと思ったほどだ。
プロであるなら結果はともかく入場料に見合うだけの何がしかの感銘は与えねばならぬ。
後半、25分に川島が入りようやく前線にボールが収まりだした。誠史が何度も縦に突破を試みるようになれたが、そうなるとボールが来ない。
この日はホベルトのようなゲームを読める視野の広い選手が不在で、モチベーションの低さからかミスも多くつまらないゲームをしてしまった。
収穫は、金古が全盛期に近づきつつあること。後半からの出場であったが個に優れたチームとやる時は足元がしっかりしている金古の方が生きる。
もうひとつは誠史のキレが戻りつつあること。後半何度も縦に突破して要求していた。誰も気づいてはくれなかったが。
初夏が近づいているというのに、博多の森は寒く帰りの足取りは重かった。