監督の仕事

■ウルトラに支持されない監督
サポーターは思い思いにチームを語る自由がある。そして何を語るのも自由であろう。しかし。
「おい!松田」「こらっ、松田!」「松田、出て来い!」
自分は、昨年の、あの雨の三ツ沢の試合後の狂った叫びが今でも耳に残る。
自らの抑え切れない感情を放出するためにウルトラのリーダーがハンドマイクを持ち、アウェー観衆の目前で音量を目いっぱい上げ叫んだのだ。
実はこのような酔いツブれたとしか思えない幼稚な行動をウルトラがしてしまうのが、今の(過去も?)このチームの不幸のひとつであるのだが。
いわゆる「オフィシャルショップ」のオーナーになった時点で自らの立場やチームから受けてる恩恵を認識し自覚し行動しなければならないことは明白なはずだ。
今季松田さんもよく残ったと思う。残って「自分の仕事」をまっとうしようとしたと思う。
■選手たちは、スタジアムの温度の分しか戦えない。
結果を求められ、そしてチームを自分の思い通りにできるのは、監督(だけ)。
その監督の仕事をやりやすく支援し(J1残留の為に)バックアップするのがフロント。
選手たちは、どんなに技術や高等戦術があってもスタジアムの温度の分しか自己表現しない。
そしてチームは、一部のウルトラのためでなく大勢の市民サポーターのものでありファンのものである。
今回のこの事態は、監督だけの責任問題ではないしそれだけで決して済まされるものでもない。
こちらで、過去に「長谷川氏は退陣せよ!」と書いたことがあるが、あの時点(4月3日)で予測できた事態が今やってきている。
贈る言葉

『昨年、神戸でのコーチ就任がほぼ決定的になっていた松田監督が福岡に残った理由のひとつに、フロントが精一杯バックアップするという約束があったことは想像に難くありません。勝負の世界でバックアップと言えば、それはお世辞を言うことや、契約を延長することではなく、監督の手腕をフルに発揮できる材料や武器を提供すること。その約束を果たさずに、結果について一方的に責任を追及するやり方に怒りさえ覚えます。』(中倉一志さん

『夕方、なんと声をかければいいのか考えるよりも先に松田監督の携帯に電話をかけていました。そのこと自体もこのブログに書こうか迷いましが、どうしても伝えたいことが・・・
監督「プロの世界ですから勝てない以上は責任をとらなければいけないことは分かっていまし、僕は理解しています。ただこれまでずっと僕に付いてきてくれた選手達のことを思うと申し訳なくて・・・あいつら・・ほんとに・・・かわいい奴らで・・・」(それ以上言葉にならなかった)』
『監督「これからも選手達のサポートをお願いします。それが彼らにとっての大きな力になりますから・・・」』(スタジアムアナ信川竜太さん

■人心一新
時たま、タイミングを誤ると「人心一新」は諸刃の剣。
それを十分に認識してフロントも刃(やいば)を抜いたのであろうが。
もちろん明日ゲームがあるなら、選手たちも違ったモチベーションで戦えるのであろう。
かっての時代に逆戻りしないようにするには、何よりこの2ヶ月間の空白の使い方ひとつであろう。