モニワ召集

日本サッカー協会は30日、ワールドカップ(W杯)日本代表のDF田中誠(30)=磐田=が左太もも痛のため離脱し、茂庭照幸(24)=FC東京=を追加招集すると発表した。」

田中誠には残念なことになった。彼の怪我が早く回復することを祈りたい。
しかしこれで楽しみにしてる選手がひとり増えた。
■気持ちの入った良いゲーム
[ドイツ代表ー日本代表]:レバークーゼン
ドローは残念だが。また、これまでのコンディション調整途上のハードワークで、足が重く足元にボールが収まらない場面が多かったが、非常に気持ちのこもった好ゲームだったように思う。
ホームのホスト国・ドイツ代表が激しくプレスをかけてくれたことが玉離れの早さを誘い、いくつかの場面で日本の選手たちの技術力が表現された。
しかしゲームの主導権は、高さで上回るドイツ代表が握っていたように見れた。
途中交代した加地の怪我が心配です。
■前半は守備の連携と調整
親善試合であるし、しかもドイツが相手とはいえコンディション調整のためのゲーム。
それ程細かく見る必要もないのかも知れないが。
前半は、ドイツが押し気味にゲームを進めた。日本はサイドが無理して上がることもなく、前線の3人も相手ボール時には小気味良いプレスをかけ続けた。

前半終了時点で、互いにムキになった表情で話していたヒデも宮本も、0点に抑えるのが前半の目的であったはずだ。

それにしても、足が重そうで思ったよりキレに欠けるドイツの選手たちであった。
それでも気持ちだけは積極的に日本の選手に当たっていた。ホームの大声援を受けて動いたのであろうが、ドイツの選手たちには粗い動きとカラ回りが見受けられた。
前半やや引き気味であった日本の守備陣であったが、決定的な場面を未然に防ごうとする動きと、互いのマークの引き渡しと連携確認、その練習舞台としてはうまくいっていたように思った。
事前察知能力に優れた宮本と、身体的に当たり負けしない中沢、スピードでは負けない坪井と、高さの問題さえ除けば何ら問題なくバック陣は良く健闘していたといって良い。
■後半の実験成功
後半、めまぐるしく試合が動く。日本が一時的に前がかりに転じる。その瞬間、チャンスが生まれた。
それまでワンタッチでさばくことが多かった俊輔が、ヒデからのパスを受け前を向く。
この時点で私は今まで感じたことがないフィーリングを感じた。表現力が稚拙なのでうまく言葉にできないのがくやしいのであるがw

左の俊輔から逆サイドのヤナギへのパス。ヤナギの柔らかなワンタッチパス。後は高原が決めるだけ、というような美しい流れ。

うまいだけでない攻撃の基点となれる海外経験を重ね続けた俊輔。02年は涙をのんだ俊輔と、怪我上がりのつなぎ役のヤナギ。10年もコンビを組んだふたりならではのチャンスメイクであった。
ヤナギは、高原とは7年になろうか。高原もヤナギを信じてその場所へと抜けていた。
優勝候補とも言われる強豪チームから生まれた得点は、普通の1点ではないような貴重なものだった。
確かにこの日のドイツ代表はチームとして今いちであったが、このカタチこそ日本代表が持っている強みの一つであろう。
2点目は高原とは思えない卓越したシュート技術を見せ見事にレーマンを粉砕したが、ドイツの守備陣もお粗末であった。
それにしてもドイツに失点した2点は大きな反省材料。これはDF陣というよりもチーム全体の問題。どちらも絵に描いたような失点ぶりで残りの期間で修正すべき課題であろう。
■ヤナギのキレ
ヤナギは絶好調ではなかった。確かに高原のゴールをアシストはしたが、全てにおいて今ひとつといったところであった。
しかし、前線でゲームを作り、チャンスを作る仕事はさすがではあった。一人で何とかし、一人で突破するタイプではないだけに、このゲームを、好調さを保つ俊輔や気合入りまくりのヒデ、前回大会の無念を晴らそうという高原と一緒にやれたのは良かったと思う。
しかし練習試合を除けば骨折の怪我以来初めてのゲーム。このゲームはなんとか無難に動いており(見てる方はヒヤヒヤであったがw)まずは一安心といったところ。
これまでの足の甲の骨折手術や長い期間のリハリビを思うと、ヤナヲタとしても感無量ではあった。
ヤナギもこの分でいけば何とか初戦にピークに持っていけそうな状態とみた。

ヤナギがいると、前線の大動脈に新鮮な血液が流れる。

02年WCと違い、稲本や伸二はベンチであったが、このチームにも、ヤナギは絶対に必要であると確信したゲームとなった。