専門紙の使命

エルゴラには期待していた。
いや、正直半分は今も期待しているといってもいいかも知れない。
私は、エルゴラッソが日本で最初で唯一のサッカー専門紙として、一定限の発行部数を伸ばし、サッカー界にある種のステータス(地位)を築くことを願ってきた。
またあらゆるクラブや団体から、中でも日本サッカー協会からさえも尊重される新聞になって欲しいと考えてきた。
だから、その内容の大半が浦和レッズ提灯記事であっても大目に見てきた。
J2リーグの扱いが小さくとも我慢してきた。
私は定期購読がスタートしてから購読を続けているが、しかしもう最近は購読を止そうかと思っている。
■川淵体制の病巣

川淵キャプテンの言葉は失言ではなく意図的なのではと思うのですが。協会に対してはどのような思いですか。
A 次期監督を決めるメカニズムが不明瞭だと思います。なぜ、オシム監督なのか。新聞などでは報道されているが、本当のところはわかりません。そのことは、協会内部できちんとしてもらいたいという思いでいっぱいです。ジェフの社長という立場でいうと、オシム監督ありきで決めたとしか思えません。

Q ジェフをサポートすべきJリーグからの言葉がないように思いますが、どうなっているのですか?(2部でも同じ趣旨の質問がありました)
A 鈴木チェアマンには電話ではありますが連絡をしています。もちろん、Jリーグはわれわれの上部団体ですから、この動向については心配しています。しかし、基本的にはクラブの問題であり、クラブがどう判断するか、監督がどうするのかといった問題で、不正であると感じているとの報告はしているが、それはまだ途中経過の段階であると理解しているのだと思います。

Q 公の場で協会に対して抗議をしてほしいのですが。
A 昨日、謝罪文を受け取りました。二度とこういうことを起こさないという再発防止策を広く世間に公表することを求めていきたいと考えています。サポーターのみなさんに対してだけでなく、日本国中に広く公表することが大事だと思っています。

Q 多くの企業がジェフをサポートしてくれました。今後、離れていかないかが心配です。
A 私もその点は危惧しています。現在、ユニホームスポンサーをはじめ、多くのスポンサーに説明し、理解してもらっている状況です。ここまでのところ、冷静に、逆に、こちらが激励されるほど、温かい支援を受けております。しかし、私は、安心はしていません。これからの成績次第ではどうなるのか予断は許されないと考えている。

ジェフ千葉オフィシャルより

日本サッカー協会の川淵会長の”失言”に端を発する次期日本代表監督問題は、当のオシムさんだけでなくジェフ千葉、またジェフに関わるサポーターや関係者、また支援スポンサーにまで甚大で深刻な影響を与える問題であることはこのオフィシャルを読むまでもない。
そしてこれは単にジェフ千葉だけの問題ではないし、Jリーグ全体、いや日本サッカー界の問題であると言ってもいいだろう。
エルゴラ編集部はいつまでも素人集団であり続けるのか
またこのような日本サッカー界に横たわる憂慮すべき事態、それらの問題を正面から取り上げるべきは醜聞好きの週間文春や週間ポストでなく、日本で唯一のサッカー専門紙であるエルゴラッソであろう。
少なくとも私はそう思っている。
彼らが大きな権力者に立ち向かうことが(怖くて)できないなら、少なくとも今回の件で提言くらいはすべきであろう。
エルゴラの読者層の大半が現在の関心事や感性がどこにあるのか。読者の感覚がどちらへ向いているのか。
読者を掴み続けるのか、サッカー協会からの権利を優先するのか。多くの問題に編集部が無関心でおられるはずはないと思うが。
エルゴラには、専門紙としての独自性やその存在理由に今一度立ち返るべきであるが、現状を見る限り私自身のエルゴラへの期待は望み過ぎであるようだ。
そうであるなら購読を止めるまでである。