さよならジダン

このゲームが現役最後の試合となるジダンの、WC決勝での一発退場には驚いてしまった。
ジダンの過去の性癖とか気短かさはともかく、彼自身が許すのことのできない事態が、あのピッチ上で起こったに違いない。
それが人種差別発言にせよ相手の荒っぽいプレーにせよ、マテラッツィの胸に頭突きした行為は許されるものではない。あの場面はレッドカードが妥当であろうが、今となってはあの時間にジダンの胸に何がよぎったのかは知る由もない。
それにしてもジダンの素晴らしいプレーや、これまでの栄光の足跡は、あの行為で吹き飛ぶようなものではない。
ピッチ上は教会でも法廷でもないのだ。
ここまでくれば選手生命を賭けて。人間らしさ、泥臭さ、熱い気持ち、騙し打ち、不意打ちなどがいつでもうごめいているものなのだ。

こころから、「お疲れ様、ジダン!」

フランス代表は果たしてブラジル戦で燃え尽きたのか。良くぞ決勝まで進み、それでもイタリア相手に攻め手を見せてはいた。
彼らの準優勝は称えられるべきものだろう。