守備放棄

[J1第18節、福岡ー京都]:博多の森球技場
■守備崩壊の結末

『1−0より4−3で勝ちたいという人にとっては見ごたえのある試合だったのかもしれない。今日初めてサッカーを見に来た家族連れにとってもエキサイティングな試合に映っただろう。だけどチームのJ1残留を願う一人のサポーターとしては今後がとても不安になる試合だった。これまで信じてきたこと、リーグでも屈指の守備力、僕らが唯一すがることができたもの、それが音を立てて崩れてしまった。』(博多の森のスタジアムアナ、信川さんのBLOGより)

『開幕から決定力不足といわれ続けたアビスパ。今夜改めてサッカーで言うところの決定力という言葉の意味を考えた。1−0でも5−4でも相手より一つでも多くゴールを奪い勝ち点3に導くのが決定力。アビスパに必要だったのは守備をないがしろにしてまで3点も4点も取るゴール力ではなく試合を決める決定力のほうだった。1−0で勝ち続けるチームに決定力不足と文句をつける人がいるだろうか・・・』(同上)

雁ノ巣での川勝氏は遮二無二「攻撃の練習ばかり」でほとんどといって言い位守備練習をしないという。
今の状況は代表チームが組織守備と規律に厳しかったトルシエを否定するために、チーム戦術を理解していないジーコにチームを任せきった状況に酷似している。
ただしジーコは選手たちの奮闘もあり「WC出場」だけは果たした。
川勝氏はこの日も誠史を干していた。つまり古賀誠史とアレックスというアビスパ唯一の強力な武器を放棄して戦ったのだ。二人は揃ってこそそれこそ大きな武器になる。
左側が誠史とアレックスのコンビであれば京都もこのサイドにまずは守備に重点をおいて意識して戦った筈である。この日の柱谷氏はアビスパの左側サイドを突きに突きまくっていた。
私は京都戦が一里塚だと思っていた。
「これで敗戦したら今季はおしまい」という覚悟で自分はスタジアム観戦した。だから京都戦は4得点しても城後の変態的なゴール以外には何一つ嬉しくはなかった。
「3点取られても4点取ったらいい」というサッカーは今の財政状況のチームにとっては100年早いし、そういうサッカーが好きならプレステでもやっておれば良い。
■残りは15試合しかない。
昨年の残留チームの成績は勝ち点38である。今季はそれよりもボーダーラインが下がりそうな気配であるが、果たして3分3敗の今の監督でそれが果たせるのか?
つまり残り15試合で勝ち点28を上積みできるのかどうか?を今は問わなければいけない。
その場合、

7勝7分1敗
8勝4分3敗
9勝1分5敗

となる。当面の残留争いをしている当該チームから「勝ち点3」を奪えないようではそれは残留が絶望的になることを意味する。
博多の森にきた京都サポは数多くの檄文とともに「勝」というゲーフラをいくつも掲げていた。同じくこの試合に賭けていたのだ。

*8.19京都戦(博多の森