贈る言葉

■「助け合う心 どこへ」
出会いがあれば別れは必ずある。
ジェフ千葉を12年間勤め上げた祖母井さんが今日(12月19日)の日本経済新聞のコラムで最後の言葉を残されている。
全部を引用することはできないが一部を抜粋して紹介したい。

「JリーグのJEF市原・千葉にお世話になって12年が過ぎようとしている。私が10年勤めた大学を退職し、サッカーのプロの世界に飛び込んだのは、ちょうど阪神大震災が関西を襲った年である。実家は全壊し私のアパートも半壊した。この地震によって私が生まれ育った神戸は破壊され、私も知人を失った。」「そんな状況下でJEFへ行くのは正直言って相当迷った。」

12年を振り返りながら、祖母井さんは特に生活している(社会)環境の悪化について強調されてあり、中でも自己中心的な社会の変化にこころを痛めてある。
「これから21世紀のスポーツに必要なものも、過激な競争社会から失われつつある人間的な営みをスポーツを通して取り戻すことであろう。」「やみくもに優勝だけを目指し、人間的な温かさを失うようなことがあれば、意味のない活動になってしまう。」
贈る言葉
祖母井さんが長期ビジョンの下にタイトルを連続して取るまでにクラブを育てられたことは大いに賞賛されるべきであろう。
手塩にかけてクラブを育てられた方を失うJEFサポーターの落胆ぶりは推察するしかないが、サッカー界にとっても、経済性優先に堕落し自らの対面ばかりを優先する協会会長に堂々と自らの主張を述べられる方を失うことは痛い。
「最後にJEFを愛するファンへ、人に愛されるクラブづくりをサポートしてください。」
一クラブのファン向けだけでなく日本サッカー界へのエールとも受け取れる言葉である。