「クラブ改革は可能か」その2.

■主体性なきクラブ運営
10月13日、告示日の3週間を前にしてある市長候補を尋ねた。
もちろん事前にアポを取り後援会事務局と事前に打ち合わせた上で。
市民クラブとしての脆弱なクラブチームの現状を憂い、ある程度の資料を用意持参した上で、当事者(責任者)が欠落したままの第三セクターの「クラブ改革は可能なのか?」。行政の長を志す候補者と1時間ほど話し合った。
福岡に限っていえば行政側とクラブは意外と緊密な関係に見える。実際にそうであった。
候補もマスコミ人として長くクラブを見ており現状を深刻に憂いていた。

自分自身はもはや選挙運動も市民運動にも関心はなかった。本音をいえば今回の市長選挙にもそれほど関心はなかった。
関心があるのはただ一点、「アビスパ福岡という地元プロサッカーチームの今日のありよう」。
その前に、私の周辺の人間から一度会ってみないか、という働きかけがあった。
かっての自分の経験から、告示日を過ぎると、候補者が取るに足りない市井の人間に会う時間が取れるはずもないことはわかっていた。そしてやがて一人に動くことでいつの間にか全ての候補者にアプローチするようになってしまった。
今回サポ仲間のオヤジたちと共に動いた。

「貴方の言うことは理解した。しかし改革には必ず”主体となるべき”人物が必要である。今のクラブにそういう方がいるのか?」鋭い質問をされた。「一サポーターにしか過ぎない自分にはその点はわかりません。」
出向すれば2、3年のうちに幹部は出向元へ戻る。ビジョンなきクラブ運営。行き当たりバッタリのチーム強化。それが長く続いた。そしてプロパー社員との溝は埋まらぬまま。累積赤字は膨らむ一方。
どこのクラブであってもそういう状態で誇りのもてるクラブになるわけがない。
■主体はあるか。

「誰も責任を取らない。」
「やるべきことを『検討中』のひと言で実行しない。」
「もはや肩書きは有名無実。」
「当事者などクラブにはいない。」「上級幹部ほど事なかれ主義。」
「アプローチしても無駄。」

これまで、長くクラブやチームを見てらっしゃる方々と会った。
メシを食い、酒を飲み、開襟開いて話し合った。いずれの方も口々にそう言った。
聞けば聞くほど悲しくなった。

[関連エントリー]
クラブ改革は可能か