総括なき06WC

[JFA TECHNICAL REPORT]2006FIFA WORLD CUP GERMANY

今年の正月は喪中の身であったので静かに過ごした。子供の墓参りや身内の挨拶周り以外には、本を読んだりこのテクニカルリポート(DVD)を見たりして過ごした。
個人的には今年は仕事の時間を減らし新たなチャレンジをするべく考えている。
サッカーに関しての時間は可能な限り確保したいとは思っているが、果たして。
■表面をなぞったリポート
全く期待を裏切られたのは、このリポートが何一つ4年間の「総括」をしていないことである。

・どういう準備したからこういう結果になったのか。
・具体的にどこのどういう部分に問題があったのか。
・その結果を踏まえて、どこに責任があり、今後どのように対策するつもりか。

DVDにはいかにもな技術的なことだけ並べ立て、総括すべき謙虚さも真摯さも表現されていなかった。
■よく出来た分析だが
確かにこの大会に参加した各チームの戦い方の分析は良くできている。
映像だけは綺麗なDVD。サッカー好きな中学生や高校生の皆さんには面白く興味深いものであるように思う。
文部省選定として体育の時間や部活の時間に見るDVDとしてはかなり為になるものであろう。
しかし大切なのは何かを成し遂げた時に(あるいは成し遂げることができなかった時に)、こういった「批評」や「分析」だけでなく、しっかりした自己「反省」と「総括」がなければならないということだ。
この国のサッカー史上もっとも優れた選手たちを集めたチームの「惨敗」であるならなおのこと。
このリポートにはそれらが全く欠けている。
4年間のしっかりした「総括」さえせぬまま全てをオシムさんに放り投げ、責任者たるべき川淵とともに田嶋*1のような無責任な幹部がいる限りこの国のサッカー界に未来はないように思う。
彼らではこの国のサッカー界を背負っていくべき役割(使命)は果たせないことがよくわかったリポートであった。

*1:06WC代表チームの事実上のサポート役は田嶋氏である。彼は結果責任を取られることなくいつの間にか出世さえしてる。