オシムに聞く
元旦にNHKで放送された「オシムに聞く」という番組は、聞き手がNHKの山本浩氏であったので大変味わい深い内容となった。
自らの「言葉」を持った同士の呼吸が合っていることもあるが、非常に良い番組であった。
無数に持っているオシムの引き出しを丁寧にキチンと開ける作業はさすが山本氏ならでは。
以下、6日の再放送を見ながらオシムの放った言葉で個人的にメモしたこと。
[ムービングサッカー] ・日本人は技術が高い。しかし、それは「止まった状態で」に過ぎ ない。 欧州の一流選手は動きながらの技術が高い。 相手が背が高く大きい選手の場合は、より動く必要がある。 [中村俊輔について] ・セルティックは、中村俊輔に合わせてチームを作っている。 彼に合わせたチームは限度がある。彼が(代表)チームに入る場 合は、代表チームに彼が合わせる必要がある。 ・今後、海外の選手は必ず組み込んでゲームをつもりだ。 ・優れた選手(最高の選手)ばかり集めても最初は良い試合ができ ない。 一度自分自身をチームに溶け込ませ、その上で個性を活かす必要 がある。そのことが大切であることを選手に伝えたい。 [得点力不足について] ・得点力は、決してFWだけの問題ではない。 中盤の選手がそういう場面(得点機)を多く作ると相手は守りに くくなる。 そうすることでFWは仕事しやすくなる。 得点力不足はチーム全体の問題なのだ。 ・それと、巻のようにFWが前線から守備をすることが、どれだけ 後ろの選手の負担を軽くし全体が守りやすくなるか。 FWはそういう点も見ないといけない。 [選手への問題点] ・選手にとっての「不愉快な批判」(問題点)は直接伝えるように している。 日本の選手は批判に対して非常にナイーブになりやすい。 [WCについて] ・まずはWC南アフリカ大会に出場すること。それに全力でエネル ギーを傾けること。そして出場が決まったら、全く違う次元でW C本大会について考えないといけない。
代表ゲームをテレビ朝日が独占してることもあるが。現在は、その実況と解説の悪質とも言うべきレベルの低さに慣れきってしまったところもある。
これはサッカー界の不幸の一つである。
できれば山本氏のような詩情を身につけた方に実況をしてもらえば、オシムジャパンのゲームを見る目もまた養うことができるだろうし、ゲームそのものを違った角度で見れるに違いない。