サイドに蓋

[J2第33節、福岡ー愛媛]:博多の森球技場
■なじんできた3−6−1
福岡はリンコンを1トップ気味にして両サイドハーフは右に田中佑昌、左に久永。
DFはここ3試合3バックをそのまま踏襲、中盤の底に布部を置き光平、恭平との逆3角形。
アレックスを一層自由ににしての3−6−1。
久永、佑昌のサイドの二人の激しい縦の運動量と、恭平、光平、アレックスら中盤の選手の目まぐるしいポジションチェンジで相手チームを霍乱し攻め手を封じる作戦でしょうか。

前半44分ロスタイム、一番に動きの良かった宮崎光平がゴールで1−0。
光平はこの日、何事にも恐れることなく身体を張り、ゴムまりのように躍動していました。
後半開始早々の9分、アレックスが4試合連続ゴールで2−0。
この日は相棒のリンコンが不調で得意のワンツーは限られていましたが、決めどころで決めて18ゴール目。アレックスは得点ランク単独2位となりました。

■サイドに蓋をする仕事
DFラインは左からチェッコリ、宮本亨山形辰徳の3人。3人のサイドプレーヤー(!)が後ろに残り、扇子の要のように、そしてボランチのようにタクトを振るう。
このチームの3バックはストッパーもディフェンシブなセンタープレーヤーも置かない。
久永と佑昌の突破力で相手サイドバックを釘付けにし、ボールを、揺さぶりながら前へ前へ走らせることだけが目的であるかのような布陣のように見受けます。
現在の福岡の戦い方は中盤の手数と、両サイドハーフの運動量で相手サイドを封じ込める戦い方。
これで中央で先手を取れれば、受け止めれるプレーヤーがいないチームには恐ろしいまでの破壊力となります。
■課題は残る
しかし縦ポンサッカーで3バックをずるずる下げる手法をとり、速攻カウンターの頭脳的な戦術には果たしてどうなのか。
今年上位チームに対して勝ち点がたったの1。相手ボール時の対応対処は大きな課題かと思いますし、守備の論理を身につけていないように見えるリティには難問の一つだとは思いますが。
札幌と京都のようなチームへの対処は、DFラインを下げないで中盤をコンパクトにし続けることと、その為のチームの意思統一と余程の一体感が必要になると思われます。
さて。
2−0とリードして後半ゲームの幕を引く為に、リティは対人に強い柳楽をセンターの位置に貼り付け4バックにして逃げ切りました。
1ヶ月ぶりの博多の森観戦でこの日は久しぶりにバックスタンド中央から見たが、チームに我慢強さがでてきたように見えました。
■仙台と福岡が昇格に相応しい(?)
試合後に時間置いてスカパー再放送でJ1下位チームの3試合観戦。
下位に落ちているチームの戦い方のまったりさ加減。
リスクを冒さずボールも走らぬ人も動かぬ。失点するのが怖いというようなサッカー。
結果はついてきてませんが、今なら仙台や福岡の方が”志”の高い強者のサッカーをしているかもしれません。(もちろん最近のC大阪やフッキ頼みでない時のV東京もそれに近いとは思いますが)