J経営指標

Jリーグより06年度の経営指標が発表された。
06年度より監督コーチ及びチームスタッフの人件費と選手の人件費(研修、仕度金、移籍金償却費)のトータル人件費が公表されるようになった。いずれも事業費の内訳として発表。
比較しやすいように単年度数値を2年分、表にしてみた。

[アビスパ福岡経営指標]      (単位百万円)
        05年度     06年度
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営業収入   1,220     1,575
 広告料収入    581(47.6)    767(48.6)
 入場料収入   237(19.4)    387(24.5)
 J分配金    120       235
 その他     282(23.1)    186(11.8)
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営業費用   1,243     1,682
 事業費     908(73.0) 1,238(73.6)
   人件費     −−−       778
 一般管理費   335(26.9)    444(26.3)
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営業利益     ▲23     ▲107
経常利益     ▲19     ▲117
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観客数    237,299人 234,259人

■入場料収入不振
福岡はJ2の05年度も、J1時の06年度もスポンサーなどの広告料収入に比べ、相変わらず入場料収入が(相当に!)低いと言わざろうえない。昨年度はリーグ平均の60%程度である。J2に降格した今季もシーズンチケットの販売数は鳥栖の半分程度と聞く。
福岡が安定的に「J1レベル」のクラブチームを目指すなら、入場料収入を飛躍的に増加させる必要があるが。草の根的な発想を持てないクラブがその点の抜本的なシステムを設けない限り、チームはいつまでもJ2レベルのままといえよう。
また福岡は前期の株主総会において株主企業のご理解を得て32億円余りの大幅減資を実施した。これによって累積赤字はチャラにできたがもはや(社会的にも)債務超過が許されなくなった。協力企業との約束で福岡は今後一切の増資は行えないようになっている。民間企業であれば大幅減資後の債務超過は企業存続さえ危うくなる。
■バランスの良い浦和
Jには「ビッグクラブ」と「強豪クラブ」と「その他」のクラブの3種類に分かれつつあるが、浦和だけは経営的にもビッグクラブの道を順調に歩んでいる。

[Jクラブ部門別ベスト3]
営業収入  浦和 7,078 横浜F4,559 名古屋3,801 
広告料収入 横浜F2,520  柏  2,502  横浜F2,288
人件費   浦和  2,499  名古屋2,313  横浜F2,210 
[06年度リーグ平均]
               J1平均     J2平均
営業収入    3,019    1,139
 広告料収入   1,439       487
 入場料収入    636       193
 J分配金       314       118
 その他収入    630       331
営業費用    3,064   1,321
 事業費    2,481   1,091
  人件費   1,445     658
 一般管理費    583     230
 営業利益     ▲45    ▲182
 経常利益     ▲35    ▲143
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・営業利益が黒字のクラブが11クラブ。他の20クラブは未だ赤字。 ・06年度で入場料収入が30%を上回ったクラブが浦和(35.7%)、新潟(35.5%)、札幌(30.2%)、仙台(41.9%)の4クラブ。その点では仙台は毎年リーグトップを行く。