「J2仕様」その1.

長く、J1仕様と言ってもいい(法外な)価格で胸スポンサーを飾ってくれたコカ・コーラウエスト社。
社が諸般の事情で07年シーズンを最後に胸スポンサーから降り、財政的基盤が脆弱であったアビスパ福岡は、経営的に末期症状といった状態となり本当に危機的な状況を迎えた。
株主企業のこれ以上の出資は当然不能であり、彼らの「もう、支えきれない」と言う声とともに、七社会の幹部の一部では、これ以上プロサッカークラブを持ち続けることに疑念の声さえ上がっていた。
一部のコアなファンやサポーターを除くと、もともと福岡は草の根の活動に乏しく、ゲームが開催されるスタジアム以外にはどこの街にも露地にも商店にもアビスパはなく、これまで「市民」一人ひとりが支えて行くという流れは皆無であった、と言ってよい。
いわんや、Jリーグ加盟クラブとして、ソシオ会員といわれる後援会個人員の少なさは尋常ではない。
無論、入場料収入の大半も七社会や行政など地元大手に極端に依存し、シーズンシート購入者はJ2中位以下の数字で、一般市民へのチケットの販売増進さえスムースでなかった。
相変わらず今季の初めから胸スポは決まらず、加えて背中のスポンサーもなくなり、これ以上、プロクラブとして半端な状態が続くと、近々のクラブ解体・解消も已む無しの時期が迫っていた。
2月に行なわれた「市民のつどい」はそういう状況の中で開催された。